【選抜】筑陽学園のこの行動に、相手へのリスペクトを感じた!
今日の話題は、第91回選抜高等学校野球大会第3試合です。
1回戦を含めて、球場やTV中継で試合を見られた方は気付かれたかもしれませんが、筑陽学園の投手は、守備が終わった際に、最後までマウンドに残り野手からの返球を受け取って、丁寧にマウンドの上に試合用のボールを置いています。取材をすると、これは筑陽学園の投手陣の伝統として先輩たちから受け継がれているそうです。好リリーフで試合後にインタビュー台に上がった西舘昂汰投手が話してくれました。「筑陽のルールで、相手投手に疲れをためさせちゃいけないということで、相手への気遣いを思うことも含めて、(ボールに印字されている)高校野球大会の文字を上にするように置いています」。
その後、江口祐司監督に伺うと、「昔、県立和歌山商業に遠征に行った時に、日体大で同級生だった溝端(浩一)先生がそうされていたんです。どういうこと?と聞くと、相手に敬意を表することと教えていただいて、それから何十年と続けています。ちょっと雑になることも(たまに)あったりするのですが、きちっとボールを置いてくるようにと指導しています」と経緯を話されました。
どんな時でも、試合では勝つことを目的としながらも、相手をリスペクトすることも忘れてはなりませんよね。
相手に敬意を表して、フェアプレイの精神で戦う。そして終わったらラグビーのノーサイドの精神のようにしっかり握手をする。色んなニュースが出ている今大会ですが、筑陽学園投手陣のボールをマウンドに置いて相手投手へ引き継ぐ姿に、心を洗われたような気がしました。
江口監督の話に出てくる溝端浩一先生は、現在は橋本高校の監督を務め、昨夏の第100回大会で育成功労賞の表彰を受けています。
さて、選手とともに試合に臨む審判員の方、そして第1試合開始前恒例となった始球式の方を紹介しています。
派遣審判員は、これで全員が一塁から三塁までの塁審を経験しました。
(文=松倉雄太)