21世紀枠からのプロ野球選手は過去にいる?
11月16日、来春に行われる第91回選抜高校野球大会(以下、春の甲子園)の21世紀枠の各都府県による推薦校が出揃った。今後は12月14日に北海道含めた9地区からそれぞれ1校が選出され、2019年1月25日の選考会で3校が発表されることとなる。
その21世紀枠を振り返ってみると、今春の甲子園までに優勝、準優勝は誕生していない。最高成績は2001年の宜野座(沖縄)、2009年の利府(宮城)によるベスト4だ。
さて、その21世紀枠で甲子園に出場した選手たちから、プロ野球選手は誕生しているのだろうか。
ライアン小川はエースとして初戦突破
成章時代の小川泰弘(ヤクルト)
21世紀枠で出場を果たし、プロ入りした選手でもっとも有名なのが小川泰弘(ヤクルト)だろう。小川は成章高(愛知)で背番号「1」を背負い、2008年春の甲子園に出場。初戦の駒大岩見沢(北海道)戦で完投勝利をマークする。2回戦となった平安(京都)戦でも9回3失点と好投するが、援護なく敗退。小川にとって唯一の甲子園は2回戦で終わってしまった。
その後、創価大を経てヤクルトにドラフト2位で入団し、初年度から新人王を受賞する活躍。現在もエースとして、チームを引っ張っている。ちなみに当時の小川の投げ方は現在の代名詞となっている「ライアン」投法ではなく、オーソドックスなものだった。
その他には2002年に池田剛基(鵡川→日本ハム)、2004年の木村正太(一関一→巨人)そして2010年の横山雄哉(山形中央→新日鐵住金鹿島→阪神)が21世紀枠として甲子園に出場しプロ入りを果たしている。
池田は三木(兵庫)との初戦を制し初戦突破を果たしたが、2回戦で敗退。木村、横山はいずれも初戦敗退となっている。このことからも将来のプロ野球選手が在籍するチームでも、なかなか勝ち進むことは難しいということがよくわかるだろう。
21世紀枠で出場する高校は、秋季大会で地区大会へ進むことができていない場合が多い。そのため実力差があると言われがちだが、このようにプロ野球選手を輩出している学校も存在する。来春の大会に出場する21世紀枠の3校からも、もしかしたら未来のプロ野球選手が誕生するかもしれない。その戦いぶりに注目したい。
(記事=勝田聡)