巨人・松原聖弥は育成指名からのシンデレラストーリーとなるか?
11月8日、巨人対MLBオールスターチームのエキシビジョンマッチが東京ドームで行われた。MLBオールスターチームには一塁ベースコーチとして松井秀喜氏も参戦。原辰徳監督と談笑する場面も見られ、久々の再会を楽しんだようだ。
松原聖弥が原監督へアピール
松原聖弥は仙台育英から明星大を経て、2016年育成5位で巨人に入団
この試合で巨人は多くの若手選手が出場し、それぞれが原監督へアピールを行った。なかでも印象に残ったのが育成契約から支配下登録を勝ち取った松原聖弥だ。代打で登場した松原はその打席でなんとランニング本塁打。つづく打席でも一塁強襲安打を放ち、2打席連続安打となった。公式戦における一軍出場のない松原にとって、この試合は貴重なレベルアップ、そしてアピールの場所になる。この好結果は大きな財産となるはずだ。
その松原は仙台育英から明星大を経て、2016年育成5位で巨人に入団している。仙台育英では3年夏に甲子園へと出場するが、自身はベンチ入りを果たすことができなかった。その後、プロ志望届を出すこともなく進学を選択。明星大時代は首都大学リーグ二部で結果を残したものの、全国的な知名度はなくドラフトにおいても大きな注目を浴びていたわけではない。
しかし、育成指名されてから結果を残し続け、2年目となる今シーズンの7月に期限ギリギリで支配下登録を勝ち取った。そしてエキシビジョンマッチとはいえ、メジャーリーガー相手に結果を残すに至っているのである。
ここまでの活躍はシンデレラストーリーの序章と言ってもいいだろう。この勢いで激戦区となりそうな外野の開幕一軍、そしてレギュラー争いにも加わっていきたいところだ。
松原のように強豪校出身でもベンチ入りできず、大学時代にも全国的には無名、そして育成指名でのプロ入りだったとしても、本人の努力しだいで争いの舞台に立つことができるのである。
今年のドラフトでも育成ドラフトで21名の選手が指名を受けた。プロ入り時の評価は高くなかったかもしれない。しかし、決して諦めることなく、シンデレラストーリーを目指してほしい。
(記事=勝田聡)