大阪桐蔭を中心に回った2018年のドラフト会議
10月25日、プロ野球を目指すアマチュア選手たちにとって「運命の1日」でもあるドラフト会議がおこなわれた。大方の予想通り、根尾昂、藤原恭大(ともに大阪桐蔭高)、小園海斗(報徳学園高)に人気は集中。史上初めて高校生に11球団が初回入札することとなった。抽選の結果、根尾は中日、藤原がロッテ、そして小園は広島がそれぞれ交渉権を獲得している。
同一高校4人が指名されたのは2001年の日大三高以来
左から柿木蓮、藤原恭大、根尾昴、横川凱
11球団が高校生に初回入札をおこなったのは史上最多となったが、その他にもドラフト史に残るできごとはあった。
1位で大阪桐蔭高の根尾と藤原が指名されたが、同一高校から同一年度にドラフト1位が複数名出るのは、2005年の高校生ドラフトにおける大阪桐蔭高の先輩にあたる平田良介(中日)、辻内崇伸(元・巨人)以来13年ぶり。分離ドラフト以前では1987年のPL学園高の立浪和義(元・中日)、橋本清(元・巨人)以来、31年ぶりとなる。全国屈指の激戦区でもある大阪府の学校に有望な選手は集まるのだろうか。
また大阪桐蔭高からは根尾、藤原以外にも横川凱(巨人4位)、柿木蓮(日本ハム5位)が指名を受けた。同一年度に同一高校から4人の指名は2001年の日大三高以来17年ぶりとなり史上最多タイだ。当時の日大三高も今年の大阪桐蔭高と同じく、同年の夏の甲子園を制したメンバーだった。しかし、プロ入り後に実績を残したのは近藤一樹(現・ヤクルト)ただひとり。それだけ、「プロの壁」は分厚かったといえる。
ちなみに同一高校という縛りをなくすと2005年の大学生・社会人ドラフトにおけるNTT西日本、2000年のプリンスホテルなど4チームが同時に5人の指名を受けている。
このように今年のドラフトは大阪桐蔭勢を中心として動いてきた。報道の量も圧倒的に多かったはずだ。しかし、プロに入ってしまえばアマチュア時代の実績は関係ない。全員が横一線のスタートとなる。ドラフト時に注目を浴びていなかった選手たちも、プロでの実績で取り上げられるような活躍に期待したい。
(記事=勝田聡)