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延長11回の死闘を制した高知中!史上3校目の春夏連覇達成!!

2018.08.23

竹馬の友が描いた大熱戦、高知中が延長11回制し春夏中学軟式連覇達成!

 最速144キロ右腕・伊藤 樹(3年・右投両打)、最速147キロ左腕・笹倉 世凪(3年・左投左打)の2枚看板を中心に投打にバランスが整う中学軟式野球界「東の横綱」仙台育英学園秀光中(宮城)。一方、ついにテレビ朝日「報道ステーション」でも特集を組まれるようになった最速150キロ右腕・森木 大智(3年・右投右打)を筆頭に、チーム力の高さで「第9回文部科学大臣杯全日本少年春季軟式野球大会」に続く春夏中学軟式春夏連覇へ王手をかけた「西の横綱」高知学園高知中(高知)。

 夏休み・冬休みにはお互いのグラウンドを行き来し練習試合のみならずホームステイも行ってきた「竹馬の友」による「第40回全国中学校軟式野球大会」決勝戦は、大熱戦に次ぐ大熱戦となった。

 6回までは高知中・森木が「ブルペンから状態がよかった」130キロ前半のスプリット、秀光中・伊藤がストレートとスライダーによる外角の出し入れがよくスコアは動かず。7回表・高知中は2番手の笹倉から二死満塁のチャンスをつかむも、ここはマウンドに戻った伊藤に封じられ、7イニング制の試合はがっぷり四つの延長戦に突入した。

 試合がようやく動いたのは無死満塁からのタイブレークとなった特別延長の10回からである。高知中が二死一・三塁から9番・乾 飛雄(3年・二塁手・右投左打)の右前打で勝ち越せば、秀光中も森木の暴投でずぐに同点に。さらに無死満塁でサヨナラのチャンスをつかんだ。

 しかし、ここで森木はさらにギアを上げる。この回は捕邪飛と連続三振。秀光中・小杉 勇太監督が「思い切って打つ指示を出したが、森木くんが素晴らしかった」と称賛する内容で修羅場を抜けると、一死満塁から3番・貞長 孔(3年・右翼手)の三ゴロで勝ち越した11回裏は三振と「秀光中なら仕掛けてくると思った」主将・吉岡 七斗(3年・捕手)の冷静な判断による三塁走者のインパクトスタートを交わすスライダー選択。三振奪取からのタッチアウトで無失点。森木 大智/11回133球18奪三振3安打・自責点0完投。この時、高知中は中学軟式野球界史上3度目の「春夏連覇」を達成した。

 表彰式後はノーサイド。涙を流しながら健闘を称えあう両校の選手たち。そんな姿を見ながら今大会、高知高校監督に転出した濱口 佳久監督から指揮を引き継いだ秋村 雅美監督はこう言った。「彼らは次は甲子園の決勝戦で対戦することを目指していると思います」

 そう、彼らが次に目指すのは主力のほとんどが「高知高校」「仙台育英高校」に進む高校野球での頂上決戦。センターポール上には半旗がはためぐなど、まだ1か月前の悲しみが癒えない[stadium]呉市二河野球場[/stadium]での熱戦は、様々な人々の想いを引き継ぐ[stadium]阪神甲子園球場[/stadium]へと続く。

森木大智、150キロの瞬間

(記事=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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