野球界の未来、語り合う 「鹿児島野球ミーティング2016」初開催
野球ミーティング
■野球界の未来、語り合う「鹿児島野球ミーティング2016」初開催
鹿児島県内の野球関係者が一堂に会して野球界の未来について語り合う「鹿児島野球ミーティング2016」が4月9日、鹿児島市のジェイドガーデンパレスであった。
少子化などの影響で野球人口の減少が著しい。県高校野球監督会が呼びかけ、ソフトボール少年団、少年野球、中学、高校、大学、社会人と県内のあらゆるカテゴリーの野球関係者約110人が参加し、交流を深めた。「長い野球の歴史の中でも初めての試み」と鹿児島実高元監督の久保 克之さんは話す。
日米教育サポートセンターの木下 和孝会長が「日米野球で感じること」と題して基調講演。米国在住の木下会長は指宿市の出身で、91年から日米高校野球親善試合の現地サポートなどに取り組んでいる。アメリカのベースボールは楽しむことが基本にあることや、少年野球は3月から8月までのシーズン制で、オフシーズンにはバスケットボールやアメリカンフットボールなど他のスポーツをやることなどを紹介し「言葉は通じなくても野球用語は通じる。アメリカと鹿児島の野球の交流をもっと盛んにして、鹿児島から世界に通用する人材育成のお手伝いをしていきたい」と話した。
懇親会では各界の代表があいさつし、今後の野球界への提言や意気込みなどを語った。社会人野球・鹿児島ドリームウエーブの國本 正樹球団代表は「Jリーグが100年構想を掲げてスポーツ振興を訴えたように、我々も社会に通じる人材を、野球を通じて育てていきたい」。センバツに出場した鹿児島実高の宮下 正一監督は、今年のセンバツからバックネット裏席に「ドリームシート」を設けて小中学生を招待したことを取り上げて「自分たちもそういった子供たちの前で野球をすることが励みになった。県の高野連でも取り入れて底辺拡大を目指してみてはどうだろうか」と提言。久保さんの後に登壇してあいさつした樟南高元監督の枦山 智博さんが「いつも自分は久保さんのあとに回ってくる。だから樟南はバントがうまくなったのかも」と、かつてのライバルとの思い出を語って会場を沸かせた。
県中体連軟式野球の村山 忠隆専門部長は「それぞれ立場は違っても、野球や子供たちに対する熱い想いを感じることができた。今中学校が『チーム鹿児島』で普及・強化に取り組んでいるように、この集まりがこれからの野球界について、みんなで考えるきっかけになった」と感想を話していた。