ヤクルトの大卒スラッガーコンビは広澤以来の30本塁打到達はなるか
澤井 廉
セ・リーグ3連覇を目指すヤクルトはオープン戦からルーキーたちが出場している。注目のドラフト1位右腕・吉村 貢司郎投手（日大豊山出身）は2月25日の阪神戦（浦添）で2番手として登板。2回無安打無失点、2奪三振と開幕ローテーション入りへ向けて好スタートを切った。
一方の野手ではドラフト5位の北村 恵吾内野手（近江出身）がここまでの3試合全てに出場。2月23日の巨人戦（浦添）では、代打で迎えた初打席で見事に1発を放つと、第2打席は左前打、第3打席は死球と3打席連続で出塁している。その後の2試合で安打は出ていないものの、出場機会を多く与えられていることからも期待値の高さがよくわかる。
ドラフト3位の澤井 廉外野手（中京大中京出身）は2試合に出場。2月26日の楽天戦（浦添）の第1打席で安打を放った。2試合で打率.143（7打数1安打）と大きなアピールをしたとは言えないものの、早い段階で初安打が出たことは安心材料だろう。
北村も澤井も長打力が売りで、将来的には20本塁打、30本塁打を目指すことのできる打撃型。村上 宗隆内野手（九州学院出身）や山田 哲人内野手（履正社出身）らチームの先輩のように長打、本塁打を量産することが期待される。
ヤクルトで20本塁打以上を記録した生え抜きの日本人選手、は2020年代は村上と山田のふたりがいる。2010年代はそのふたりに加えて雄平と畠山 和洋が記録。この4人はいずれも高卒でプロ入りした選手であり、大卒や社会人出身の選手で20本塁打以上を記録したのは2010年代以降ひとりもいない。
2000年代では青木 宣親外野手（日向高出身）と古田敦也、そして稲葉 篤紀と3人が20本塁打以上を記録していた。生え抜きの大卒あるいは社会人出身の選手で30本塁打以上を記録したのは1992年の古田までさかのぼる。大卒出身では1988年の広澤 克実（30本）が最後だ。
スラッガーや長距離砲が多い印象のヤクルトではあるが、近年は高卒の選手が中心であり、大卒や社会人出身のスラッガーは不在だった。
将来的に中央大出身の北村と中京大出身の澤井は、生え抜きの大卒選手としては広澤以来の30本塁打に届くだろうか。長距離砲候補の1発に注目したい。
