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【阪神】最多勝の青柳や若手投手の台頭で強力な阪神投手陣。課題はスアレスの穴をどう埋めるか?

2021.12.07

【阪神】最多勝の青柳や若手投手の台頭で強力な阪神投手陣。課題はスアレスの穴をどう埋めるか? | 高校野球ドットコム
阪神・青柳 晃洋投手

 2021年シーズンが終了した。東京五輪があり変則日程ながら2年ぶりに143試合が行われ、セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスが前年最下位からの優勝となった。日本シリーズは優勝チーム同士の対戦となり、ヤクルトが4勝2敗で20年ぶりの日本一に輝いた。

 両リーグのタイトルは確定したが、12球団各チームの中でのランキングはどうだったのか。今季のデータを振り返り、投手、打者に分けてランキングを紹介していく。

 第2回は阪神。前半戦はセ・リーグを圧倒的にリードしていったが、後半戦にやや翳りが見えて、ヤクルトに優勝をさらわれてしまった悔しいシーズンだった。投手陣は2ケタ投手3人に、充実したリリーフ陣、絶対的守護神・スアレスがいて安定したといえる。

 勝利数では最多勝、最高勝率を獲得した青柳をはじめ、秋山、伊藤将が2ケタをマーク。1年を通して先発ローテーション投手として活躍したといえる。

<勝利数ランキング上位>
1位 青柳 晃洋 13勝(6敗)
2位 秋山 拓巳10勝(7敗)
2位 伊藤 将司 10勝(7敗)
4位 ガンケル 9勝(3敗)
5位 西 勇輝 6勝(9敗)

 防御率では規定投球回数の3分の1とハードルを低く設定したが、42セーブでセーブ王のタイトルを獲得した守護神スアレスの安定度は抜群だった。リリーフの1点台はグンを抜いている。先発陣では伊藤将がトップだった。高橋はリーグトップタイの完封2試合が効いている。

<防御率>(規定投球回数の3分の1以上)
1位 スアレス 1.16(62.1回)
2位 高橋 遥人 1.65(49回)
3位 伊藤 将司 2.44(140.1回)
4位 青柳 晃洋 2.48(156.1回)
5位 岩崎 優 2.65(57.2回)

 先発陣がシーズンを通して、しっかりマウンドには上がり続けていた。西は少々勝ち星に恵まれなかった。

<投球回数>
1位 青柳 晃洋 156.1回(防御率2.48)
2位 西 勇輝 143.2回(防御率3.76)
3位 伊藤 将司 140.1回(防御率2.44)
4位 秋山 拓巳 132.2回(防御率2.71)
5位 ガンケル 113回(防御率2.95)

 リリーフ陣ではスアレスと岩崎が勝利に大きく貢献。岩貞、馬場はキャリアハイの登板試合数だった。高卒2年目の及川は初めて1軍で活躍したシーズンだった。

<登板試合数>
1位 スアレス 62試合(42セーブ)
1位 岩崎 優 62試合(41ホールド)
3位 岩貞 祐太 46試合(12ホールド)
4位 馬場 皐輔 44試合(10ホールド)
5位 及川 雅貴 39試合(10ホールド)

 2年連続の2ケタ勝利となった秋山は、昨年の64から飛躍的に奪三振数を増やした。

<奪三振数>
1位 秋山拓巳 107(24試合132.2回)
2位 青柳晃洋 104(25試合156.1回)
3位 西 勇輝 95(24試合143.2回)
4位 ガンケル 87(20試合113回)
5位 伊藤将司 79(23試合140.1回)

 高橋、秋山の制球力は安定していて、ともに無四球試合を1試合ずつマークした。スアレスを含め外国人投手の奮闘も光った。

<与四球率>(規定投球回数の3分の1以上)
1位 高橋 遥人 0.92(49回5四球)
2位 スアレス 1.16(62.1回8四球)
3位 秋山 拓巳 1.70(132.2回25四球)
4位 ガンケル 1.91(113回24四球)
5位 アルカンタラ 2.12(59.1回14四球)

 青柳は勝利数、投球回数、奪三振、防御率でキャリアハイ(登板試合数はタイ)をマークした。高橋、伊藤ら若手の先発陣も実績をしっかり残せた。先発陣は来季も安定しそうだが、スアレスが抜ける守護神の穴をどう埋めるか。岩崎、岩貞、及川、馬場らの奮闘がV奪回のカギになりそうだ。


 12月2日現在の阪神投手登録の支配下選手、自由契約選手は以下の通り。

<阪神支配下選手>投手
(数字は背番号、カッコ内は出身高校)
13 岩崎優清水東
14 チェン・ウェイン
15 西純矢創志学園
16 西勇輝菰野
17 岩貞祐太必由館
18 馬場皐輔仙台育英
19 藤浪晋太郎大阪桐蔭
27 伊藤将司横浜
28 小野泰己折尾愛真
29 髙橋遥人常葉橘
30 佐藤蓮飛龍
34 二保旭九州国際大付
36 浜地真澄福岡大大濠
37 及川雅貴横浜
40 尾仲祐哉高稜
41 村上頌樹智辯学園
43 守屋功輝倉敷工

44 アルカンタラ
46 秋山拓巳西条
48 齋藤友貴哉山形中央
49 ガンケル

50 青柳晃洋川崎工科
54 加治屋蓮福島
56 小林慶祐八千代松陰
65 湯浅京己聖光学院
66 小川一平横須賀工
69 石井大智(秋田工高専)

<自由契約選手>投手
20 中田賢一八幡)→引退
21 岩田 稔大阪桐蔭)→引退
42 エドワーズ→退団
47 川原陸創成館
61 望月惇志横浜創学館
64 桑原謙太朗津田学園)→引退
75 スアレス→パドレス
92 伊藤和雄坂戸西
93 石井将希桐生第一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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