ロッテ佐々木朗希に軍配、「同級生」オリックス宮城大弥に勝ってマジック9点灯!
佐々木朗希、宮城 大弥
剛腕に軍配が上がった。高卒プロ2年目を迎えた若き投手がプロの舞台で初対決した。オリックスの首位快進撃を担ってきた宮城 大弥投手(興南出身)と、高校時代に最速163キロを叩き出したロッテの右腕、佐々木 朗希投手(大船渡出身)が14日、投げ合った。結果は、佐々木の「快勝」だった。
宮城は初回から「宮城らしく」なかった。速球の切れ、変化球の精度はそれなりに従来の力はあったが、コースが甘かった。ロッテ打線が見逃してくれるわけがなく、連続適時打で1回に3点を失うと、2回、3回と1点ずつを失った。2ストライクを追い込んでからの低めのコースが甘く、打たれてしまうパターンだった。ここまで12勝3敗。チームの快進撃をけん引してきた左腕が、ここにきて痛いワースト5失点。5回で降板した。
佐々木は逆にクレバーだった。今季10試合目で初めて中6日で先発。初回から150キロ後半の速球をガンガン見せた。しかし、中軸には単調にならなかった。初回に紅林と杉本にともに右方向への安打をされたが、杉本には2打席目はすべてフォークで空振り三振。6回の4打席目は直球で押して中飛に仕留めた。三者凡退のイニングは5回だけだったが、フォークも、カウントを取るフォークと、ウイニングショットとの使い分けも行い、6回5安打8奪三振で無失点。2回以降は二塁を踏ませなかった。防御率も2.81から2.51まで伸ばし、3勝目を手にした。
宮城は高校日本代表合宿で佐々木を初めて見たときは「感動した」というくらい、ポテンシャルの違いを痛感していた。自分は球速ではなく、変化球の切れや直球の切れで勝負できる投手への転換の必要性も感じていた。その延長線上でドラフト1位を勝ち取った。2年前のドラフト。4球団から1位指名を受け、クジの末にロッテ入りが決まった佐々木に対して、宮城は「外れの外れの1位」。その「差」は今年2年目で大きく佐々木をリードしているとはいえ、直接対決はまさかの5失点に沈み、4敗目を喫した。
今年の首位争いを演じるオリックス、ロッテの直接対決。結果は、快勝したロッテに優勝マジック9が点灯した。勝った方に優勝マジックが点灯する天王山で、2人が対決。高卒2年目ながら、チームでは欠かせない戦力となっている証拠だ。
今季はもう対戦がないので、2度目の直接対決はないが、クライマックスシリーズで対戦する可能性はある。宮城がリベンジするのか。それとも佐々木がもっとグレードアップした姿を見せるのか。まだまだ進化し続ける2人の「第2ラウンド」が楽しみだ。