岩崎 峻典選手 (履正社)
寸評
2019年の甲子園優勝投手・岩崎峻典(履正社)。昨年の段階でもドラフト候補として注目すべきものはあるが、高卒プロを成し遂げるには、さらなるスケールアップが必要だ。そんな岩崎の2年秋までの投球を振り返りながら、今年の課題に迫っていきたい。
(投球内容)
ストレート 145キロ 常時140キロ~145キロ
まず岩崎の長所は伸びがあり、高確率で空振りが奪えるストレートと空振りが奪える変化球の投げ分けができること。それはしっかりと数字に現れており、昨夏の甲子園では18.1回を投げ、15奪三振、昨秋の公式戦では49回を投げ、49奪三振と高い奪三振率を誇る。
ウエイトトレーニングによって最速145キロを誇るストレートのスピードは高校2年生にしては合格点。ただ、高卒プロを目指すには140キロ後半は到達しておきたいところ。
スライダー 120キロ中盤~120キロ後半 岩崎の最大の武器はこのスライダーだ。打者の手元で一気に曲がり、軽々と空振りを奪うことができる。岩崎のピッチングの生命線となっている。
スライダー以外では130キロ近いカット系、チェンジアップ、カーブ系統を投げ分けながらカウントを稼ぎ、追い込んでからはスライダー、ストレートでねじ伏せる投球で、三振の山を築いている。
秋までの投球を見ると、文句つけようのないぐらい素晴らしい投球。平均球速を高め、縦系の変化球で三振が奪うなど、投球の引き出しを増やすことができれば、楽しみな投手だろう。
(投球フォーム)
2017年のエース・竹田祐(明治大)と似た投球フォーム。履正社の投手は少し右肘を下げてテークバックを取って振り下ろす右投手が多い。
ワインドアップから始動し、左足を高々と上げていき、右足の膝を適度に伸ばしてバランスよく立つ。右足の膝を適度に伸ばしてバランスよく立つ。その後、左足を二塁方向へ送り込んでいきながら、重心を下げていき、軸足にしっかりと体重を乗せて、勢いよく左足を踏み込んでいく。
テークバックの動きを見ていくと、右肘を折りたたむような軌道からトップに入る。トップに入った時、打者寄りで離すことができており、球持ちの良さが伝わってくる。
左腕のグラブの動きを見ると、しっかりと胸に抱えることができており、フィニッシュに入った後の動きを見ても、余計な反動を使わず、効率の良い身体の使い方をしていることが分かる。
将来の可能性
ストレートの球速、変化球の精度の高さ、フォーム技術の高さを見ても今年の高校生ではトップレベル。センバツが開幕していればドラフト候補として最終チェックが入っていた投手だっただろう。 高卒プロの可能性は昨秋のピッチングレベルをベースにさらにスケールアップすることが大前提だ。向上心の強い岩崎ならばそれも可能だ。 現状、大阪は開幕へ向けて動いている。ぜひ、今年の公式戦では成長した姿を見せ、高卒プロへ近づく投球を見せていきたい。PHOTO GALLERY フォトギャラリー
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