入江 大樹選手 (仙台育英)
寸評
今年の選抜出場校の中で大型遊撃手枠としてみればナンバーワンの評価を与えられるのが入江大樹(仙台育英)ではないだろうか。パワフルな打撃、強肩を生かした遊撃守備。うまさというよりも、ポテンシャルの高さ、化けた時の成長度を期待されて高く評価を受けるタイプとなりそうだ。そんな入江の現状と課題に迫っていきたい。 (打撃) スクエアスタンスで構え、グリップは肩の位置において歩幅を広げて背筋を伸ばして構えている。投手の足が下りたところから始動を仕掛けていき、すり足気味にタイミングをとり、まっすぐ踏み込んでいく。 その後、大きくバックスイングをとり、深くトップに入る。その後、右ひじをたたみながらも、弧を大きく描きながら、ボールをとらえる。 内角の打ち方には優れ、甘いコースはしっかりと肘をたたんで本塁打にできる技術がある。通算本塁打は神宮大会の時点で12本塁打とスラッガータイプとしては多い数字ではないが、捉えた打球の飛距離はすさまじいものがあり、スラッガーとして化ける期待を抱かせる。 ただ課題なのはトップが立ち遅れ、ヘッドが遠回りして、スイングスピードが遅くなり、振り遅れの打球が目立つこと。一見、飛んでいるように見えるが、あとで映像などで見返すと鈍いスイングでボールをとらえているため、パワーをフルに生かせていない。 センバツまで求められるのは、ヘッドスピードを高めるか、立ち遅れをしない構えにしてコンタクト率を高めることだと思う。 (守備・走塁) 肩は強く、深い位置からでも刺せる。ただ大型故、股関節がやや硬いのか。腰を深く沈めない。そのたま腰高にして、動きやすい形にしている。腰高がだめではなく、腰高にしないと動作のスピードが出ないタイプなのだ。それでもハンドリングやスピードなどはまだ鍛える必要がある。 塁間タイムは4.6秒で左打者に換算すると4.3秒前後で足を売りにできるタイプではない。
更新日時:2020.02.03
将来の可能性
捉えた時の打球速度、飛距離は同世代のショートの中でも頭一つ抜けたものがあり、さらに強肩を生かした遊撃守備など魅力はある。 ただ課題なのは ・ヘッドが遠回りして、ヘッドスピードが遅くなる打撃フォーム ・腰高で、ハンドリングが欠ける遊撃守備 センバツまでに打撃動作、守備動作に改善がみられるか。そこを立て直して、大活躍を見せるようだとサイズの大きさを考えてもかなり評価される選手であることは間違いないだろう。 ぜひ高いステージでプレーするためにも一皮むけることを期待したい。
更新日時:2020.02.03
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