株式会社ジャパンリーグは19日、沖縄県那覇市で記者会見を開き、高校3年生を対象とした夏のリーグ「ジャパンサマーリーグ2025」の開催を発表した。
同社は2022年から各カテゴリーで出場機会に恵まれなかった選手のアピールの場や、野球を通じた国際交流の場を目的としたジャパンウィンターリーグを設立。昨年もMLB・NPBなど8か国40球団以上のスカウトが来場し、今年1月には同リーグで本塁打王を獲得したロビー・テネロビッツ外野手が西武の二軍・三軍キャンプにテスト生として参加するなど国内外から注目を浴びていた。
着実に成果を上げる中、今夏に満を持して開催するのが高校生を対象にしたジャパンサマーリーグだ。8月2日から8日にかけて嘉⼿納野球場にて行われ、4チームに分かれた7イニング制の試合や、技術・メンタル・キャリアに関するレベルアッププログラム、ポーランドの代表監督を務めた渡辺 龍馬ヘッドコーディネーターらが指導する自主トレなど様々なプログラムが用意されている。さらにはトラックマンや「BLAST」といった最新の器具を用い、その場で科学的な視点から自身の能力を確かめることも可能となる。こうした環境についてジャパンサマーリーグの知花 真斗代表も「私たちが運営しているウィンターリーグでは打席ごと、投球ごとに瞬時にアナリストの方々がフィードバックをしてくださいます。プロ野球や社会人野球でもやっていないことを、高校生に実現することで能力を伸ばすことにつながる」と期待を寄せている。
同リーグは全国の高校3年生を対象としたもので、参加費は55000円、応募締め切りは7月31日となっている。80人を上限に技術的なスキルアップだけではなく、球児同士の思い出作りや仲間作り、また卒業後の進路についても考える機会の場となる。運営方針でもある「陽の目を見ない場所に光を」という言葉の通り、実績の有無に関わらず野球のキャリアやその後の進路選択をサポートすることで「野球継続人口」の増加を推進していく考えだ。
ジャパンウィンターリーグの代表取締役を務める鷲崎 一誠氏は、事前の取材に対し、同リーグへの熱い思いを語っていた。
「参加者の目的は様々あっていいと思います。野球を続けようとする選手も、野球に区切りをつける選手もいていいですし、もしここで選手生活を終えるのであれば、将来は無限の可能性があると示せる1週間にしたいと思っています」
鷲崎氏自身も慶応義塾大で選手として練習に励んだが、出場機会に恵まれず、カルフォルニアのウィンターリーグに参加したことで区切りをつけた過去を持つ。こうした経験から現在はプラットフォーマーとして「アスリートのオープンキャンパス」「18歳のハローワーク」の実現を目指し、球児の貴重な交流の場を提供し続けているのだ。
今後は各地域での開催も視野に入れており、さらなるリーグの発展も見据えている。そのためにも開催初年度にかける思いも強いものがある。
「本当にどんな立場の選手でも参加して欲しいです。野球継続者であれば、夏の予選が終わって次のステージが決まっている選手の準備の場にもなりますし、公立校や連合チーム、高校時代で自信をつけたけど、有名な高校ではないので注目してもらえない選手もいると思います。本当は野球を続けたいと潜在的に思っていても、18歳では判断がつかない選手も多いです。そうした選手に参加は、仮に選手として区切りをつけたとしても、野球が好きになってもらえると思いますし、将来的に野球界でビジネスをする子も増えてくると考えています。こうした取り組みでスポーツ界全体を盛り上げていきたいです」(鷲崎氏)
沖縄から世界の野球界を変える―――。今夏のジャパンサマーリーグは、高校野球界にとって一つの分岐的になるのかもしれない。
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