秋、春ともに兵庫県大会でベスト4進出。あと少しのところで近畿大会出場を逃しているとはいえ、今年も夏の兵庫大会で注目されることは間違いない神戸国際大付。2021年の夏の甲子園以来となる聖地を目指して、最後の仕上げにチームは向かっている。

大会前に実践する新たな取り組み

取材日、チームの練習を見ていると、トレーニングに取り組む選手たちと、グラウンドで練習を進める選手たちの姿があった。大所帯のチームであればよく見かける風景だが、トレーニングを終えた選手たちは、続々とグラウンドから去っていく。

後から聞いた話だが、トレーニングを受けていたのは野手陣。グラウンドで練習をしていたのはバッテリーということで、ポジションに分かれた形式だった。とはいえ、夏の大会まで残り僅かの時期に、トレーニングだけで終了にするのは珍しい。

スタッフ陣も「この形は初めて取り組んでいます」とチームにとっても初の取り組みだという。長くチームを率いて甲子園出場、さらにNPB選手も育てた青木尚龍監督の発案というが、意図はどこにあるのか。

「これまでは月曜に全員ウエイトレーニングだけをやって終わりにしていました。それを月曜、火曜の2日間はどちらかがウエイトレーニングだけでやったら終了にするようにしています。
6時間授業であることもありますけど、特に投手陣は昨夏から柱となる投手がいないので、複数投手で戦うようにしています。ですが、秋はリードしながら最後は東洋大姫路に敗戦。春も故障明けの投手を起用しましたが、課題を残しました。なので、ピッチャー以外の練習も含めて集中して取り組もうという狙いでやっています」

実際、グラウンドの練習を見ると、バッテリーがあらゆる内野のポジションでノックを受けたり、バッティング練習をしたり。野手と同じメニューに取り組む姿があれば、普段から取り組んでいるような走り込みといったメニューに汗を流していた。

選手たちの表情を見れば、かなり厳しいメニューになっていることがうかがい知れる。どんな形で夏の大会で成果を残すかわからないが、確実に力になっているだろう。

数字を活用した合理的な選手育成

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