<令和7年度 春季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:近江12-3米原(7回コールド)>◇29日◇3回戦◇HPLベースボールパーク
近江が7回コールド勝ちで8強入りを果たした。
近江は甲子園で2度の準優勝に導いた多賀 章仁監督が3月末で勇退。今春から小森 博之監督が率いている。
小森監督は2001年夏の甲子園準優勝メンバー。主将、正捕手としてチームを引っ張った。佛教大を卒業後、母校のコーチに就任。名将の後を継ぎ、滋賀県勢初の甲子園優勝を目指している。
「心技体の全てで厳しいです。勝つとか負けるとかそういう次元にまだ行っていないと思います」と現状を吐露した小森監督。新監督の船出は厳しいと感じているようだ。
実際にこの試合もスコア以上に苦戦した試合だった。1回裏、3番・吉田 大翼内野手(2年)の2点適時二塁打などで幸先良く3点を先制する。
しかし、先発を任された左腕の堀 一輝投手(3年)が波に乗れない。2回表に二死一、三塁から9番・袖野 瑛太捕手(3年)にレフトへの2点適時二塁打を浴びると、3回表にも二死三塁から5番・秋山 義秀投手(3年)に右前適時打を打たれて同点に追いつかれた。
近江はその裏に二死満塁から7番・市岡 真聖外野手(3年)の右越え3点適時三塁打で勝ち越しに成功するが、4回表にも一死一、二塁のピンチを招いて、右横手投げの大平 貴一朗(3年)にマウンドを譲る形となった。
代わった大平は130キロ台前半のストレートとスライダーを主体に試合を落ち着かせる。米原の反撃を封じると、4回裏と6回裏に3点ずつを追加して突き放すことに成功した。
「中心選手がいない」とチームの課題について語る小森監督。吉田、杉本 将吾捕手、箕浦 太士内野手とクリーンナップを2年生で固めているのが現状だ。
「これはメッセージだと思います。3年生が頑張らないと夏は絶対に勝てないので」と指揮官は最上級生に奮起を促している。能力の高い2年生が揃っているとはいえ、3年生の活躍なしに頂点はない。彼らがどれだけ意地を見せられるかが、近江の今後を占うだろう。