<令和7年度 春季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:八幡工5-2水口>◇20日◇2回戦◇HPLベースボールパーク

 八幡工が昨秋8強の水口を下して16強入りを果たした。

 八幡工は2回までに4点をリード。その要因となったのが3番三塁で出場した大野 翔真内野手(3年)だ。

「バントをさせるのがもったいない」と中井 敦司監督が評する打力の持ち主。1回裏、無死一、二塁で最初の打席が回ると、「変化球が来ると思って、思い切って振っただけです」と中前適時打を放ち、チームに先制点をもたらす。

 さらに2回裏の第2打席は二死満塁と追加点のチャンス。2ボールとなり、「見ていこうかなと思いましたが、思い切っていった方が良いと思いました」と強振すると、打球は中堅手の頭上を越える走者一掃の3点適時二塁打となり、大きな追加点となった。

 守っては先発を任されたエースの今村 瑠壱投手(3年)がコースを突く丁寧な投球で6回まで1失点。しかし、7回表に水口が反撃を見せる。5対2と1点を返され、なおも一死一、三塁のピンチ。ここで八幡工は背番号10の上林 一歩投手(2年)に継投した。

「真っすぐで押して、相手を圧倒するピッチングが持ち味です」と話す上林は身長168㎝と上背はないが、最速138キロの力強いストレートを投げる右腕。先頭打者に四球を出して満塁としたが、続く打者をストレートで空振り三振、最後は4番打者を一邪飛に打ち取り、このピンチを乗り切った。

 8回は圧巻の三者連続三振。9回表は二死から四死球で一、二塁のピンチを招いたが、最後は遊飛に打ち取って、リードを守り切った。

 奪った8つのアウトのうち、5つが三振だった上林。見るからに伸びのあるストレートを投げており、初見で打ち崩すのは容易ではなさそうだ。

 3回戦では伊香と対戦する。「粘り強く、接戦で何とかものにできたらと思っています」と控えめに語った中井監督。投打に切り札がいる八幡工は台風の目になりそうだ。