<春季東京都高等学校野球大会:帝京13-1成立学園>◇15日◇3回戦◇都営駒沢球場
昨年の春季都大会で帝京は、7試合で9本の本塁打を放ち、圧倒的なパワーで優勝した。しかし今年は様子が異なる。3回戦の成立学園戦は13-1の5回コールドの圧勝。12安打を記録したが、そのうち本塁打は4回表に6番・安藤 丈二内野手(2年)が放った1本だけ。これは、初戦である2回戦の修徳戦を含めても、今大会で帝京が放っている唯一の本塁打だ。帝京の金田 優哉監督は、「今年は率にこだわる」と言い、一発狙いの野球をしないと発言している。そんな今年の帝京を象徴するような選手が、捕手で1番打者である飛川 洸征(3年)だ。
この試合、第1打席は敵失で出塁したものの、得点に絡むことはできなかった。第2打席は、2回表に回ってきた。9番・唐津 大和内野手(2年)の三塁打などで2点を先制し、なお二死三塁。もう1点入るかどうか、重要な場面であったが、1番の飛川は中前安打を放って、1点を追加する。
3回表は帝京の猛打が爆発。3点を挙げて、なお一死満塁で飛川に打順が回り、今度は左前安打で2人を還した。そして飛川も2番・梅景 大地内野手(3年)の二塁打で生還している。
さらに4回表は安藤の本塁打で1点を追加した後、一死二、三塁で飛川に打席が回り、左前安打で2人が生還している。
飛川は基本的に「センターを意識して打っています」と語る。センターに打つことを意識し、投手のコースやタイミングによって、左に行ったり、右に行ったりする、ということだ。飛川は足の速く50メートルは6.2秒。盗塁を決めることはもちろん、昨年の秋季都大会の2回戦で佼成学園を1-0で破った時は、決勝のスクイズを決めている。 試合を動かす時に、キーマンとなっているのが1番の飛川ということになる。
さらに2回戦の修徳戦では9番・唐津が3打数2安打、3回戦の成立学園戦では三塁打と2四球といったように、下位打線の出塁が多い。そこで1番・飛川や2番・梅景がもう1つのクリーンアップの役割を果たしている。ただ問題は、3番・蔦原悠太外野手(2年)や4番・村松 秀心外野手(3年)が、安打を打ってはいるものの、まだ力を出し切れてないことだ。この3番、4番が、もう少し機能すれば、帝京打線はより強力になるはずだ。
今年の帝京のもう一つの特色が、豊富な投手陣だ。成立学園戦では、岩本 勝磨(3年)が先発。2回裏に一死一、二塁のピンチを迎えたが、完全にギアを入れた投球に切り替わり、無失点で切り抜けた。
3回裏以降は1イニングに1人が登板。4回裏に登板した仁禮 パスカルジュニア(2年)が成立学園の3番・佐藤 悠月内野手(3年)に本塁打を打たれたことは課題となったが、あとはしっかり抑えた。豊富な投手陣をリードするにあたり捕手の飛川が心掛けていることは、「ピッチャーに自信を持たせることを意識しています」と語る。
帝京は4回戦で日大鶴ケ丘と対戦する。日大鶴ケ丘には左の住 日翔夢(3年)、右の小林 駿斗(3年)と、左右に好投手がいる。帝京打線との対決が注目の一戦になる。
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