【仙台六大学】仙台育英元エース・向坂優太郎が2年ぶり復帰!「戻っても居場所が…」焦り感じながらも腐らなかったリハビリ期間
<仙台六大学野球春季リーグ:宮城教育大0-13仙台大>◇5日◇第4節2回戦◇東北福祉大
仙台大は宮城教育大相手に2試合連続で5回コールド勝ちを収め、今春3つ目の勝ち点を獲得した。この日は3番・立山 創太郎外野手(3年=仙台城南)のリーグ戦第1号本塁打が飛び出すなど打線が8安打13得点と機能。投げては大城 海翔投手(1年=滋賀学園)、向坂 優太郎投手(4年=仙台育英)、池田 亮太投手(4年=千葉敬愛)の左腕3投手のリレーで0に抑えた。
2番手の向坂は2年春以来、約2年ぶりのリーグ戦登板。四球と安打で無死一、二塁のピンチを背負ったものの、140キロ前後の直球とキレのある変化球を駆使して3者連続三振に仕留め、無失点で切り抜けた。帰ってきた4年生左腕は「野手が心強くて打たせてもアウトにしてくれるし、うしろにも良い投手がたくさん控えている。しっかり腕を振って投げました」と久々の公式戦マウンドを振り返った。
仙台育英でエースを務め、鳴り物入りで仙台大に進学。2年春の東北福祉大戦でデビューを果たすも、リーグ戦終了後、左肩の痛みに襲われた。「手術をするかしないかは大きな選択だったけど、するなら早くしないと、戻ってこられないと思った」。迷いながらも決断し、その年の9月末に手術を受けた。
本格的に投げられるようになったのは手術から約1年後。その間、チームは全国大会で躍動し、投手陣では佐藤 幻瑛投手(2年=柏木農)、渡邉 一生投手(3年=日本航空/BBCスカイホークス)ら若手投手が次々と台頭した。後輩たちの活躍を「めちゃくちゃ心強い」と感じる一方、「正直焦りはありました。治りが予定より少し遅いこともあって、自分もゆっくりしていたら戻っても居場所がないなと…」との思いも本音だった。
それでも腐ることなくリハビリに励み、投げられない期間も下半身を鍛えるトレーニングには欠かさず取り組んだ。「プロにいくのが夢」と胸を張るようにプロ志望も貫いてきた。
また今春は仙台育英時代の同期である東北工業大・後藤 佑輔投手と帝京大・菅原 天斗投手が4年春にして自己最速を更新。「二人とも仲良くしていて、今でもたまに連絡を取る。みんな頑張っていて嬉しい」。旧友の存在も復活を後押しした。
「今後もベンチに入ってマウンドを任せてもらうことがあったら、自分のピッチングを貫きたい。何イニングでも、チームのために全力で投げ切る」。向坂の復活劇はまだ始まったばかり。大学ラストイヤーは笑顔で駆け抜ける。