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台湾の剛腕・孫易磊(日本ハム)が3試合連続無失点の好スタート!台湾でプレーした元阪神OBも「育成で入ったことに驚き」と高評価する理由とは

2024.05.13


孫易磊

昨年10月、日本ハムに入団した台湾出身の剛腕・孫易磊(スン・イーレイ)投手が二軍で150キロ中盤の速球を武器に、3試合連続無失点の好投を魅せている。

昨年、台湾U-18代表に選出され、最速156キロの速球、130キロ中盤のスライダーを武器にエースとして活躍。NPB、MLBの争奪戦の末、日本ハムに育成選手として入団が決まった。

「孫の日本ハム行きは台湾球界でも話題になりました。順調に育成が進んでいると思います」
こう話すのは元阪神投手の福永 春吾氏。昨年まで台湾プロ野球でプレーし、現在は台鋼ホークスの二軍投手コーチを務めている。
「初めて見た時、『これはすごい投手だ!』と衝撃を受けました。18歳とは思えないほどのストレートの強さ、速さ、変化球の精度の高さがあり、スケールが大きい投手でした。台湾の野球関係者には『日本なら世代No.1レベル。ドラフト1位なんじゃないですか?』と話したことを覚えています。だから背番号3桁(育成)で入ったことに驚きました」

実際、台湾でもその実力は抜きん出ていた。
「CPBLの若手投手を見ていると、自分の能力だけでプレーしている投手が非常に多いです。だから制球力もあまりよくない。あそこまできれいなフォームで強いボールをコントロールよく投げられる他の投手はいないですね。そのまま台湾のプロ野球に進んでいたら、即戦力でバリバリ活躍している能力はあると思っています」

福永氏は実戦力もある孫をじっくりと育成する日本ハムの方針を評価する。
「MLBのオファーがあったと思いますが、それでも日本ハムに進んだのは、球団が彼に対して熱心にアプローチをしたと思います。彼が惹かれたのは育成計画のプランニング。たとえばメジャーにいくのがゴールだとして、こういう育成をしますというプランが具体的だったかもしれません。でなければ、あのレベルの投手は育成選手からスタートするというのはないです。それだけ魅力も実力もある投手です。活躍して、台湾の選手はレベルが高いということを証明してほしいですね」

日本ハムはメジャー志望の大谷 翔平投手(ドジャース)に二刀流の育成プランをまとめた資料を大谷に提示し、入団へ翻意させた経緯がある。今回の入団に対しても、稲葉 篤紀GMは記者会見で「世界で戦える投手に育てる」と明かしている。

じつは孫易磊の5歳上の兄・孫易伸外野手が台鋼ホークスの外野手として所属しており、福永氏とも仲が良いという。
「兄は本当に弟が好きで、自分が旧正月で沖縄に行った時も『弟、見に行ったのか?』と連絡が来ますし、自分は携帯で日本のニュースも見られるので、弟の記事も共有してあげていますね。僕自身、彼には会ったことはありませんが、兄の存在で活躍してほしい思いはかなりあります」

現在の日本ハムの支配下登録人数は67人。支配下登録期限の7月31日まで昇格はあるのか。いずれにしろこの1年、ワクワクするような投球を見せ続けていきたい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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