【春季埼玉県大会】花咲徳栄、投手陣の底上げに成功!中学時代から注目された左腕コンビの活躍でベスト4へ
額川 康一(花咲徳栄)
【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧
<春季埼玉県大会:花咲徳栄4-1熊谷商>◇2日◇準々決勝◇県営大宮
スラッガー石塚 裕惺内野手(3年)、148キロ右腕・上原 堆我投手(3年)が注目される花咲徳栄。昨秋までの課題は投手力向上。難敵・熊谷商相手に苦しみながらも、上原以外の投手の成長が見えた試合だった。
先発は額川 康一投手(3年)。水戸シニア時代から評判の好左腕で、細身ながら、切れのある直球、変化球を丁寧に投げる投手だった。まだ高校生投手としては細いほうではあるが、この2年でだいぶ体つきも逞しくなった。しなやかなフォームから繰り出す直球は常時130キロ〜134キロ、120キロ近いスライダー、110キロ前後のカーブを低めに集めて試合を作る。走者を出しながらも6回無失点の投球。岩井 隆監督も「この冬にしっかりと伸びてきた投手で、その成果を発揮してくれた」と評価した。
打線は熊谷商の143キロ右腕・中村 謙吾投手(3年)を打ち崩せない。この試合では、最速138キロの速球、120キロ前半のスライダー、チェンジアップ、110キロ前後のカーブを高低に投げ分ける。ストレートと同じ腕の振りで投げることができており、厳しいコースへ投げ込んでいた。岩井監督も「相手はうちのことをよく研究していましたね。攻め方といい、守備位置といい、それを感じました」と相手バッテリーの攻めを称えた。
7回表に敵失から1点を先制。5番田島 蓮夢外野手(2年)の2点適時打で3点目を入れた。8回表にも1番生田目 奏外野手(3年)の適時二塁打で4点目を挙げた。なかなか点を取れない苦しい試合展開であったが、7回裏から今井 大地投手(3年)が2回無失点の好投。浦和シニア時代は浦和学院のエース・鈴木 由馬投手(3年)とともに2枚看板で活躍した好左腕。体を沈み込ませた投球フォームから常時130キロ中盤・最速136キロのストレート、120キロ近いスライダーが光った。
9回裏にはエースの上原が登板。登板間隔が空いていたこともあり、直球限定で投げさせた。最速138キロのストレートは威力があり、1点を失ったが、熊谷商打線を抑え、準決勝進出を決めた。
ここまで圧倒的な打撃で勝ち上がってきたが、接戦の試合展開でもしっかりと守れて勝ち上がったのは大きい。石塚は「確実に捕球することを大事にしている」と勝利のためにどんなプレーが最善なのかを考えている。
準決勝では昨秋も対戦した山村学園。最速146キロを誇る左腕・西川 歩投手(3年)を中心に投打ともに強力なチーム。総力戦が予想される。