<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会>:昌平5-1花咲徳栄(延長タイブレーク)◇19日◇4回戦◇越谷市民球場

 昌平花咲徳栄を5対1で破り、ベスト16進出を決めた。

 最後はサヨナラ満塁本塁打という劇的な試合展開に、岩崎優一監督は「とにかく選手たちが気合を入れてやっていた。私は何もやっていません。選手たちの邪魔にならようにしていました」とサヨナラ勝ちを決めたナインをたたえた。

 その中で148キロ右腕・窪田 竣介投手(3年)の投球が勝利を呼び込んだと言っても過言ではない。春先から常時140キロ中盤の速球を投げ込み、県内のライバル校の指導者から「埼玉県で最も速い投手」と警戒する声も多かった。その投球とともに注目が集まったのはイニングや好プレーのたびに雄叫びを上げることだ。一度、二度だけではなく、毎回続けた。

 春先の登板を見ても、淡々と投げる姿が印象的だっただけに驚きの姿だった。

 窪田自身、「普段はそんなにやりません。ただ、花咲徳栄相手なので、自分自身が気合を入れて必要があったですし、周りを鼓舞似できればと思いました」と明かす。

 投球では直球に狙われていることに気づき、鋭く落ちるスライダーで勝負し、10奪三振。安打を許しながらも四球1と制球で乱すことなく、試合を作った。主砲・櫻井 ユウヤも「同点にされても大丈夫でした。また(窪田)竣介が無双してくれると思ったので」と窪田の投球を信じた。

 昌平にとってようやく花咲徳栄の壁を破った。だが4回戦を突破したばかり。次は上尾市民球場で上尾と対決する。完全アウェーの中での試合になる。

 岩崎監督は「すぐに5回戦へ向けてどうするべきかと考えていきたい」と気持ちを切り替え、この試合で163球を投げた窪田は「まだ昌平にはいい投手がいます」と登板がなかった控え投手たちを信頼している。

 初の甲子園を狙う昌平ナインの挑戦はまだ続く。