<2025年全国高等学校野球選手権神奈川大会:桐光学園11-1橘学苑>◇12日◇2回戦◇サーティーフォー保土ヶ谷球場

 ノーシードから優勝を狙う桐光学園が2回戦でも強打を発揮し、11得点の猛攻で5回コールド勝ちを収めた。

 この試合で光ったのは桐光学園の190センチ右腕・林 晃成投手(2年)の投球だ。淀みのない投球フォームから繰り出す直球は常時130キロ中盤(最速139キロ)のストレートは角度があり、スライダー、カーブの精度も高い。「長身投手としてはテンポが良い」と野呂雅之監督が評価するように、5秒〜10秒ぐらいの間隔で、投球を行う。それでも投げ急ぎの感じがなく、上半身と下半身が連動された投球フォームなので、コントロールのブレも少なく、内外角に投げ分けていった。

 入学時から190センチもあったが、体重が70キロ弱。そこから10キロの増量に成功し、ストレートのスピードは最速134キロから143キロへスピードアップ。入学時の最速が現在はアベレージとなった。ゆっくりであるが、着実に出力が高まっている林。初戦では1回を投げ、3四死球を喫したが、この日の快投は主将・白鷹悠人の励ましも大きく、4回を投げ、7奪三振、無四球、被安打1、無失点の快投だった。

「白鷹さんが自分の背中で押してくれて、今日はいつも通りの投球が出来たと思います」

 本人が自信にしているように指先の感覚もよく、荒削りなところがない。ボディバランスもよく、NPBスカウト受けする素材だ。

 そんな林は高卒プロを目指しながらレベルアップに励んでいるようだ。高校3年生までにまず150キロに到達することが1つの目標だ。

 神奈川県のライバル校には152キロ右腕・織田 翔希投手(2年)がいるが、「織田くんは自分と背丈が似ているのでやはり刺激になります」と語る。

 いつか才能が開花したときは織田など現在の150キロオーバーしている剛腕たちをごぼう抜きするような投手になるかもしれない。それまで一歩ずつ成長の歩みを見せていく。