「流れを読む力」で偉業までマジック2

苦しい試合だった。
リードしているのに、流れを自分たちのものにできなかった。ひとつ間違えば、何かが起こるのではないか。そんな雰囲気すら感じさせた。

1回、先頭の平川 賢也(3年)がライト前安打で出るが、大久保玲央(3年)が送りバントを二度ファウルした後、三振。岳田諒平(3年)が四球で一、二塁とチャンスをもらうが、穴山博道(2年)がサードゴロ併殺打に倒れた。
3回に二死二、三塁から岳田の二塁打が出て2点を先制するが、乗り切れない。4回は二死二、三塁、5回は二死三塁の好機を逃した。6回二死二塁から成田瑠茉(3年)が三塁打を放ってようやく1点を追加するが、7回は2三振して三者凡退と流れを完全に引き寄せるまでいかなかった。

なぜ、能代商ペースにならなかったのか。理由はいくつかある。
ひとつは、チャンスでの凡退のしかただ。4、5、6回はいずれも二死で好機を迎えたが、すべて空振り三振で終わった。二死でも走者が三塁にいる場合、内野手は送球に重圧がかかる。ボテボテや高いバウンドのゴロの際は必要以上にあわてることにつながる。アウトになるにしても、精神的に追い込むことができるのだが、それができなかった。
「三振で終わるのが続いたので、流れを向こうに傾けるような終わり方をしていると感じていました。内野ゴロでしぶとく終われば違った。工夫のない攻撃をしてしまいました」(能代商・工藤明監督)

もうひとつは、能代商の各打者がボールになる変化球に手を出していたこと。右打者はスライダー、左打者はチェンジアップ。いずれもワンバウンドになる球を空振りする場面が目立った。
「振ってしまうので、打席の前に立たせたんですが、もっと低めにきた球を振ってしまった。変化球を見極めようとずっと言ってましたけど、最後までできませんでした」と工藤監督は振り返る。
9回にも一死一、三塁のチャンスを迎えたが、岳田がセカンドゴロ併殺打。あと一本出れば、完全に主導権を握れる場面で、最後まで相手が勢いづくような終わり方をくり返した。