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当日になってみないと分からない!毎年激論! 「関東・東京6枠目」を争う4校の強みを徹底比較!

2024.01.26


小宮 己輝(創価)、颯佐心汰(中央学院)、法橋 瑛良(桐光学園)、石塚 裕惺(花咲徳栄)

本日、第96回選抜高等学校野球大会の出場32校が決まる。毎年熾烈な争いとなる地区は関東・東京だ。関東4、東京1は確定で、残りの6枠目は関東5枠目、東京2枠目で争われる。

例年の選出パターンを振り返ってみよう。まず「関東地区5枠目」に入る学校は以下の条件が選ばれやすい。

・県大会で優勝し、1位で秋季関東大会に出場していること
・1回戦登場校は関東大会で最低でも1勝していること
・試合内容、成績も優秀なこと
・地域性でベスト4以上の学校に同県の学校がないこと

それを踏まえると今年の関東は桐光学園中央学院花咲徳栄の3校が当てはまる。

「東京2枠目」は秋季都大会準優勝の学校が選ばれやすく、都大会ベスト4の学校が選出されたのは2010年の日大三。それ以外は準優勝の学校が関東5枠目と争ってきた。その流れでいくと、今年は創価となる。

そうして選ばれた関東5枠目と東京2枠目の争いになるわけだが、「関東・東京6枠目」の選出理由は年によって様々だ。総合力、個人のパフォーマンス、大事な試合での得失点差、選考委員から高く評価される試合運び、県大会を通じての内容などなど。どれが決め手になるかは当日を迎えてみないと分からない。
直近では、2019年の横浜はエース・及川 雅貴(阪神)の存在、2020年の花咲徳栄は総合力。2023年の二松学舎大付は攻撃力の高さを高く評価された。
ボーダーラインの学校のそれぞれの強みはなにか。選出されるとすれば、こういう理由なのでは?というところまで推測もしていきたい。

桐光学園は守備力、投手力で勝負!県大会で慶應義塾を破った試合や、関東大会準々決勝の試合内容をどう評価されるか?

まずは桐光学園(神奈川1位)から見ていこう。

県大会 総得点64 総失点18
関東大会 総得点10 総失点7

桐光学園の強みは、法橋 瑛良投手(2年)、中村 優太捕手(2年)のバッテリーで守り勝つ野球。法橋はコントロールもよく、ムキになって三振をとらず、打たせて取ることを心がける。自分の特性を理解していて、県大会の準々決勝の慶應義塾戦と対戦。強打者・加藤 右悟外野手(2年)を4打数0安打2三振に抑え、完封勝利を挙げた。

バッテリーだけではなく、足の怪我の影響で、秋では一塁に入った森 駿太内野手(2年)、森の代わりに入った遊撃・鈴木 真心内野手(2年)など守備力の高い選手で失点を防いできた。

桐光学園は県大会決勝で横浜に14失点していて、法橋は3.2回を投げて4失点。ただこの試合は法橋が先発せず、他の投手が打たれて横浜打線が勢いづいた。法橋は前日の準決勝で120球、1失点完投勝利を挙げていて、さらに準決勝の試合終了時刻が17時14分。翌日の午前10時の決勝戦に臨んだので、ベストピッチは難しく、ここは考慮されるだろう。

法橋は関東大会の準々決勝の山梨学院戦に先発し、延長11回まで投げて、4失点完投負けを喫したが、7回まで無失点と内容もよく、関東大会2試合で20回を投げ、自責点4。大事な試合で内容のある投球を見せた法橋は最大限評価されるのか。

桐光学園は打撃面でも、森は高校通算20本塁打を超える大型スラッガーであり、攻撃力も一定以上のレベルのものがあり、総合力が高いチームと見ていい。

桐光学園のポイントは、法橋の投球内容。法橋を盛り立てる守備力の高さ。そして慶應義塾相手に完封勝利を挙げたこと、山梨学院相手に延長11回の熱戦を演じた2試合の内容が決め手になるか。

法橋 瑛良(桐光学園)

中央学院は数多くの好投手を攻略してきた機動力、攻撃力で勝負!

続いては中央学院(千葉1位)だ。

県大会 総得点62 総失点25
関東大会 総得点13 総失点6

中央学院が他の学校と違うのは、地区予選で1敗していること。敗者復活戦から勝ち上がって、関東大会ベスト8まで勝ち上がった底力は凄まじい。勝ち上がりで特徴的なのは好投手を攻略している点だ。

敗者復活戦の代表決定戦で光英VERITASと対戦。このチームの130キロ後半の速球、120キロ中盤のスライダーを投げ込む右腕・早川 純暉投手(2年)を攻略し、コールド勝ちで県大会へ。県大会でも強豪ばかりとの試合が続き、市立柏八千代松陰木更津総合東海大市原望洋習志野専大松戸といった強豪校に勝利を収めている。

県大会では木更津総合の144キロ右腕・千葉 雄斗投手(2年)の速球、切れ味鋭いスライダーに全く怯むことなく、4対1で逃げ切る。準々決勝の東海大市原望洋戦では、2回表に7点を奪われる展開ながら、追い上げて、7回裏に11点を取り、16対9でコールド勝ちを収めた。準決勝の習志野戦でも1回裏に4点をとられる苦しい試合展開になったが、終盤に逆転して、逃げ切って関東大会出場を決めた、土壇場で力を発揮できる精神力の強さが光る。

関東大会初戦では白鷗大足利の147キロ右腕の昆野 太晴投手(2年)の速球にもしっかりと対応し、10安打7得点。相手のスキを徹底的に突く走塁技術も光り、守備のミスを誘い、さらに5盗塁を記録して、計11安打10得点を奪い、10対2の8回コールド勝ちを収めた。敗れた準々決勝の健大高崎戦では3対4の1点差勝負を演じ、140キロ前半の速球、鋭い変化球を投げ込む全国レベルの左腕・佐藤 龍月投手(1年)から11安打を放った。この試合では、直球に食らいつきながら、甘く入ったスライダーを逃さず、ヒットにするシーンが目立った。

好投手に対しても、狙い球を絞って的確にヒットが打てる中央学院の選手たちの能力の高さが光っている。7回表には一時、逆転し、9回以外、毎回出塁して、プレッシャーをかけた攻撃面は評価ポイントではないだろうか。

好投手に対しての対応力、そして機動力は他の学校にはない強みだろう。
今年の選抜から新基準バットになったことで、どこまで戦えるかまでも議論した場合、機動力が使える中央学院は他校よりは有利だ。
県大会では25失点だったが、関東大会では6失点に留めた。中央学院が選出される場合、こうした面がポジティブに評価されると考えている。

颯佐心汰(中央学院)

次のページ:
花咲徳栄は超攻撃力で勝負!全国レベルのスラッガー・石塚がどれだけ評価されるか?
勝ち進む事に強くなった創価!チーム力は22年選抜ベスト4の國學院久我山に匹敵

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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1 Comment

  1. 島田圭二

    2024-01-26 at 6:22 PM

    21世紀枠だが、別海、田辺の
    実力校、被災地能登の日本航空石川と興味深い学校が揃いました。

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