【高校野球ベストシーン’23・愛媛編】爆発力と集中力を駆使した川之江、21年ぶりの甲子園はノーシードから決めた
21年ぶり6回目となる愛媛の夏を制し歓喜の川之江 写真提供:フィールドスポーツ出版
2024年が幕を開け、センバツの足音も聞こえはじめてきた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があったが、都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。
愛媛の23年夏の選手権は大混戦だった。8強に残ったシードが今治西だけと、強豪が次々と敗れるなか、公立校の川之江が21年ぶりの頂点を手にした。
1回戦 7-0 松山北 30打数8安打
2回戦 8-3 野村 36打数13安打
3回戦 13ー8 北条 40打数16安打
準々決勝 12-3 今治工 36打数15安打
準決勝 5-4 聖カタリナ 34打数9安打
決勝 5-4 今治西 34打数11安打
戦い方が実に派手だった。初戦で7対0の7回コールド勝ちを収めると、打線に勢いがつく。2回戦から準々決勝までの3試合、すべて2ケタ安打をマークして圧倒的に勝ち上がった。
逆に準決勝からは接戦を勝ち切る強さを見せた。準決勝では2点ビハインドの9回表に3点を奪って逆転。土壇場で試合をひっくり返した。決勝は9回に2点差を追いつかれて延長タイブレークへともつれ込んだが、10回裏に1点を奪ってサヨナラ勝ち。川之江快進撃のフィナーレは最高の歓喜に包まれた。
210打数、72安打、打率.342と、とにかく打ちまくった。2回戦は4回に6得点する集中力を見せた。3回戦は1回裏にいきなり5失点のスタートも、2回表にすぐに6点を奪って逆転するなど、3回戦以降の4試合は、すべて相手に先制を許しながらの勝利だった。打力に自信があったからこその結果だったといえる。
<川之江・夏甲子園初戦のスタメン>
(三)奥村 大翔(3年)
(中)平石 東志(3年)
(遊)真鍋 颯(3年)
(投)山内 太暉(3年)※神奈川大進学予定
(一)合田 慶太朗(3年)
(捕)鈴木 愛矢(3年)
(右)三好 翔斗(3年)
(二)近藤 大斗(3年)
(左)柴垣 豪(3年)