【高校野球ベストシーン’23・大分編】両雄ともに死力を尽くした好ゲーム、明豊が大分舞鶴に逆転勝ちした準決勝
西川 昇太(明豊)
2024年が幕を開けた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。
【選手権大分県大会準決勝・明豊vs.大分舞鶴】
手に汗握る好ゲームとはこのことだろう。昨年、大分の夏準決勝で、明豊はわずか1点差で大分舞鶴を逆転して決勝に進んだ。7回まで無失点だった明豊打線が、苦しみながら8回のワンチャンスを生かしての勝利だった。
大分舞鶴の先発、糸永 遼太郎投手(3年)に苦しんだ。球速120キロ台の直球と、多彩な変化球を操る左腕に、7回まで凡打の山を築いてしまった。6回には2四球と失策がからんで、犠飛で1点を先制された。相手に流れをもっていかれていたが、8回に西川 昇太内野手(3年)の左翼線への三塁打と、高木 真心外野手(2年)の中前打で2得点。遅い球を引っ張って凡打に終わっていた明豊打線が、ひきつけての逆方向への打撃で勝利をもぎ取った。
明豊と大分舞鶴。20年秋以降、「ライバル」としてしのぎを削る相手となっている。22年センバツは、明豊が出場できなかったが、大分舞鶴が21世紀枠で出場している。対戦成績は以下の通り。
20年秋 準々決勝 明豊13-2大分舞鶴
21年夏 決勝 明豊6-0大分舞鶴
21年秋 決勝 明豊10ー9大分舞鶴
22年夏 決勝 明豊12ー3大分舞鶴
23年春 準決勝 大分舞鶴4-3明豊
23年夏 準決勝 明豊2-1大分舞鶴
この春は糸永が先発した大分舞鶴が明豊を破っていた。自信をつけて臨んだ今年の夏だったが、またも大きな壁の前に泣いた。
明豊は、決勝で大分商に快勝し、県勢初の3連覇を達成した。大分舞鶴という「宿敵」の存在を糧にチーム力を上げてきた結果でもあった。
23年秋も、この2チームは決勝で対戦。結果は明豊が6対2で勝利した。明豊は九州大会で準優勝を果たし、センバツ出場に大きく前進した。大分舞鶴は8強で、「有力」の切符まであと一歩だった。今後も2チームの対決から目が離せない。
<全国高校野球選手権大分大会:明豊2-1大分舞鶴>◇2023年7月24日◇準決勝◇別大興産スタジアム
大分舞鶴スタメン
(右)阿部 泰己(3年)
(投)糸永 遼太郎(3年)
(捕)児玉 陽悠(3年)
(遊)野上 大耀(2年)
(左)成松 尚導(2年)
(一)渡邊 蒼汰(3年)
(二)後藤 駿太(3年)
(三)安部 烈光(3年)
(中)首藤 凌空(3年)
明豊スタメン
(右)髙木 真心(2年)
(捕)義経 豪(3年)※日本大進学予定
(三)柴田 廉之助(3年)
(中)西村 元希(3年)※立正大進学予定
(一)石田 智能(2年)
(左)木下 季音(3年)
(二)高橋 佑弥(3年)
(遊)西川 昇太(3年)
(投)中山 敬斗(3年)