News

【高校野球ベストシーン’23・北海道編】クラーク記念国際・新岡歩輝が縦横無尽の大活躍!「エースで中軸の主将」が夏の主役に!

2023.12.16


2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。

夏の選手権、北北海道大会では、大本命だと言われていたクラーク記念国際が優勝を果たし、センバツに続き春夏連続の甲子園出場を決めた。その中心にいたのは「主役」を演じた新岡 歩輝投手(3年)だった。

173センチと上背はなく、細身の体だが、投手としても打者としても高校生としては一流のセンスを持っている。マウンドでは、上手投げ、横手投げ、そして時折、アンダースロー気味で投げる。まさに変幻自在の投球。球の出所が違う上に、8種類の変化球も自在に操る。さらに、プレートを踏む位置も変える。何より、140キロを超える直球を投げられることが強みだ。高校生にはなかなかいないタイプ。対戦する打者が苦労するのが分かる。

3番打者としてもチームを勝利に導いた。力みなく、自然体でスラっと構え、グリップの位置はやや高め。そこから鋭いスイングでヒットを放つ。夏の北北海道大会で3本のアーチをマークするなど、長打力もある。2年生時代は、5番・遊撃手としてセンバツにも出場。最終学年では主将も務め、投げても打ってもチームの中心を担った。

準々決勝では最大のピンチを乗り越えた。帯広農相手に先発したが、2回を投げて7失点(自責5)。一度降板して、再びマウンドに上がったが1回を3失点(自責2)で延べ10失点を喫した。それでも打者として2打席連続本塁打を放つなど意地を見せて、打線を鼓舞。チームは新岡の2発を含めて4発、20安打を放って11得点。大味な打撃戦も制してピンチを脱した。

準決勝、決勝では、マウンドで躍動する。準決勝の白樺学園戦では延長10回タイブレークの末に7対5で勝利。新岡は先発完投し15奪三振の好投を見せたが、172球も投げた。それでも翌日の決勝、旭川明成戦でも先発し、見事に130球5安打10奪三振の完封勝利。タフネス右腕ぶりを見せ、わずか1点を守り切った。

クラーク記念国際は22年春、23年春夏と3度の甲子園出場を果たすなど「黄金時代」を築いた。その中心には新岡がいた。青森出身の新岡は卒業後、地元東北の名門、東北福祉大に進学する予定となっている。高校時代は届かなかった日本一へ。次なる挑戦へと進む。

クラーク記念国際北北海道決勝戦スタメン
(左)鈴木 凰介(2年)
(三)吉田 暁登(3年)
(投)新岡 歩輝(3年)※東北福祉大進学予定
(一)中村 光琉(3年)
(捕)麻原 草太(3年)※札幌大進学予定
(二)高木 馴平(3年)
(右)山田 陽紫(2年)
(中)安部 政信(3年)
(遊)髙橋 歩希(2年)

この記事の執筆者: 鎌田 光津希

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!