【和歌山】耐久 vs 和歌山東
冷水が完封!伝統校の耐久が40年ぶりの近畿大会出場を決める
<秋季近畿地区高校野球大会和歌山県2次予選:耐久5-0和歌山東>◇7日◇準決勝◇紀三井寺運動公園
1852年創立の伝統校である耐久が昨春の甲子園出場校・和歌山東を下して、40年ぶり3回目の近畿大会出場を決めた。
耐久は1回、2死二、三塁のチャンスを作ると、5番・白井 颯悟内野手(1年)が1ボールから131キロの内角の直球を右翼席に放り込み、3ラン本塁打で先制点を挙げる。
さらに2回には1死満塁から4番・岡川 翔建外野手(2年)の中前適時打で1点を加えると、続く白井の二塁ゴロの間にもう1点追加する。
その後は和歌山東先発の増岡 憲信投手(2年)が立ち直り、6回から登板した白木 偉大内野手(2年)も好投して追加点を許さなかったが、耐久のエース・冷水 孝輔投手(2年)がそれを上回る好投を見せた。
「あまり調子は良くなかった」という冷水は130キロ台前半の直球でカウントを作り、左打者にはツーシーム、右打者には縦に曲がるスライダーを決め球に使い、和歌山東打線を抑え込む。冷水は終盤になっても球威は衰えず、6安打4四死球5奪三振で完封。チームに大きな1勝をもたらした。
耐久OBで就任5年目の井原正善監督は「素直に嬉しいです」と快挙を喜んだ。旧チームからのレギュラーが多く残っており、経験値の多さがこのチームの強み。守備陣も非常に安定しており、この試合では無失策と引き締まった試合運びを見せた。
躍進の立役者となった冷水の兄・秀輔さん(現・中部学院大2年)も同校で2年前に140キロ以上の速球を投げる右腕エースとして活躍。「兄を超えるピッチャーになりたい」という志を持って、兄と入れ替わる形で耐久に進学した。
秋、春、夏と全て8強止まりだった兄を超える結果を残し、「自分たちの代で近畿大会に出ることを目指して練習してきたので、まず目標を1つ達成できたのは嬉しく思います」と喜ぶ冷水。「自分たちよりレベルの高い高校ばかりだと思うので、それでも負けずに自分のピッチングを貫き通していけたら良いなと思います」と近畿大会に向けてさらなる飛躍を誓った。
(取材=馬場 遼)