試合レポート

創価vs聖徳学園

2020.07.30

創価がプロ注目右腕から初回で11得点!投打でタレント力の高さを示し、2試合連続5回コールド勝ち

創価vs聖徳学園 | 高校野球ドットコム
4番ショート・宮原光夫(創価)

 創価聖徳学園の一戦。聖徳学園の143キロ右腕・松崎公亮がどこまで食い下がるかポイントとなった。
創価はその松崎のリズムを崩すべく、1番島本浩平の中前安打、2番高本の連続安打。そして連続四球で創価が1点を先制してから長い攻撃が始まり、結局、松崎相手に11点を奪った。

 片桐監督は「良い投手なので、ボール球をふらないことを意識させました。ただ、それでも接戦になると思っていて、後半勝負と考えていました。それでもここまで打てたのは野手陣の頑張りが大きいので、野手陣をほめたいと思います」と、4回まで16得点を奪った打撃を評価した。

 野手陣でも別格の動きを見せていたのが4番宮原光夫だ。この試合でも広角に二塁打、三塁打と打ち分ける。

 構えから力みがなく、トップをとってから余計な反動を取ることなく、インサイドアウトのスイング、軸足にしっかりと体重を乗せて、骨盤を鋭く回転させ鋭い打球を飛ばすことができる。ミート力、打撃技術の高さという点については今年の西東京の左打者ではトップレベルのものがあるのではないだろうか。

 そして先発の石坂大河も素晴らしい投球を見せた。
片桐監督から「森畑との二枚看板でチームを引っ張ってほしい」と期待をされ、昨秋から精力的にトレーニングを行い、パワーアップ。中京大中京松島元希のように小柄ながらパワフルさを持った左腕で、常時130キロ中盤~138キロ(最速140キロ)の速球は切れ味抜群。いわゆる回転数も高そうで、次々と力勝負で押し切った、スライダーの切れ味も良く、安心感がある。
森畑だけではなく、石坂も都内屈指の左腕と呼ばれるほどの球威を身に付けたといっても過言ではない。かなり強力な2本柱だ。

 勝ち上がるごとに投打の層の厚さを見せつける創価。独自大会でも優勝を狙える戦力となっている。

 敗れた聖徳学園の中里監督は「もう少しやれるかなと思いましたが…。また出直しで、ここ近年3回戦の壁に苦しんでいたのでそこを乗り越えられる実力を1年かけてつけていきたいと思います」

 今年はOBの長谷川宙輝(東京ヤクルト)が活躍しており、聖徳学園の選手たちにとって刺激になっており、長谷川も、今年のエースである143キロ右腕・松崎も中学時代、全く無名のところから立ち上がってここまで成長した選手だ。そういう育成力の高さはますます注目を浴びることになるだろう。ぜひ実力をつけて強豪校を脅かすタレントの浮上と、チーム力を身に着けることを期待したい。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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