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8年前の夏、935球の「鉄腕」巨人・古川が戦力外、母校は来春センバツ確実

2021.11.28

8年前の夏、935球の「鉄腕」巨人・古川が戦力外、母校は来春センバツ確実 | 高校野球ドットコム
古川侑利

 あの鉄腕が戦力外となってしまった。佐賀の有田工から楽天、そして巨人でプレー。150キロを超える直球を中心に、度胸のいいマウンドが印象的だった右腕・古川侑利投手(有田工出身)が、26歳のシーズンで戦力外通告を受けることになった。

 19年途中から楽天からトレードで巨人に移籍。昨年は一軍5試合の登板に終わり、今年はわずか1試合だけの登板に終わっていた。ヤクルト塩見に満塁弾を浴びた9月17日が最後のマウンドだった。

 「佐賀の鉄腕」だった。有田工時代は一人でマウンドを守り抜き、チームを甲子園へと導いた。3年夏は佐賀大会2回戦から決勝まで5試合すべて完投勝利。それも2回戦は龍谷を3対2、3回戦は佐賀西を2対1、準々決勝では神埼清明を1対0の完封を成し遂げると、準決勝は佐賀工に延長10回サヨナラ勝ちで3対2、決勝も早稲田佐賀相手に延長10回サヨナラ勝ちの6対5と、すべて1点差の勝利を収めた。通算5試合47イニングを投げ切り47奪三振をマークする快投だった。打席に立っても4番とまさにチームの大黒柱として、学校創立初の甲子園に乗り込んだ。

 晴れの舞台は開幕戦。大垣日大(岐阜)と対戦し、5対4とここも1点差勝利。もちろん、古川は7安打4失点も118球で完投勝利を挙げた。学校創立114年目にしての甲子園初陣を勝利で飾る活躍だった。2回戦、常葉学園菊川(静岡)に3対5で敗れたが、5失点完投。佐賀大会初戦から7試合、935球。一度もマウンドを譲ることなく高校球児を終えた。

 今年、秋季九州大会で、母校・有田工がベスト4入りした。エース塚本侑弥投手(2年)が佐賀大会4試合すべて完投。九州大会でも秀岳館(熊本)、長崎海星(長崎)と2試合連続完封勝利を上げて、来年春のセンバツ出場ラインの4強に導いた。準決勝こそ完投できずに敗れたが、古川がチームを引っ張った8年前のあの夏の再現と思われる快進撃だった。

 古川本人も母校の今秋の活躍に刺激を受けていたに違いない。来年、母校のセンバツ出場の朗報が届くころは、どんな境遇でいるのだろうか。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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