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過去5年間で即戦力は甲斐野央のみ…4人は一軍出場なし【ドラ1選手のルーキーイヤー】

2020.10.25

過去5年間で即戦力は甲斐野央のみ…4人は一軍出場なし【ドラ1選手のルーキーイヤー】 | 高校野球ドットコム
甲斐野央(東洋大姫路・東洋大)

 プロ志望届の提出期限が過ぎ、いよいよ今年のプロ野球ドラフト会議の日が迫ってきた。今年も多くの選手がドラフト候補として名を連ねるが、やはり一番の注目は「ドラフト1位候補」だろう。ドラフト1位といえど、将来のエース候補、来季の即戦力候補など位置づけは様々で、それは起用法にも表れる。そこで今回は、各球団が直近5年間で指名してきたドラフト1位選手たちの、ルーキーイヤーの成績を振り返りたい。今回は福岡ソフトバンクホークスを見ていこう。

「別格」の活躍を見せた甲斐野央

 福岡ソフトバンクの過去5年間のドラフト1位指名選手とそのルーキーイヤーの成績は以下の通り。

2015年 高橋純平(県岐阜商) 投手
7試合 2勝1敗 28.1回 20奪三振 防御率2.22(ファーム)

2016年 田中正義創価・創価大) 投手
1試合 0勝0敗 3回 1奪三振 防御率6.00(ファーム)
7試合 1勝1敗 10.1回 9奪三振 防御率5.23(三軍・非公式戦)

2017年 吉住晴斗鶴岡東) 投手
公式戦登板なし
25試合 3勝9敗 78回 50奪三振 防御率6.69(三軍・非公式戦)

2018年 甲斐野央東洋大姫路・東洋大) 投手
65試合 2勝5敗 8セーブ26ホールド 58.2回 73奪三振 防御率4.14

2019年 佐藤直樹報徳学園・JR西日本) 外野手
51試合 2本塁打 20打点 16盗塁 打率.212 長打率.343 出塁率.275(ファーム)
※10/23終了時点

 2015~2019年の5年間で福岡ソフトバンクが指名したのは、高卒投手2人、高卒社会人1人、大卒投手2人となっている。

 この中で唯一即戦力として活躍を見せたのが、甲斐野央だ。開幕一軍入りを果たすと、開幕戦の延長10回にデビューし初勝利をマーク。NPB新となるデビューから13試合連続無失点を記録するなど、中継ぎとして活躍した。シーズン中盤には抑えも務め、通算で65試合に登板。11月にはプレミア12の日本代表にも選出され、好投を見せるなど、大車輪の働きを見せた。

 もう1人の大卒投手である田中正義は、大学No.1右腕として5球団競合の末に入団したが、一軍での登板はなく、ファームでも1試合登板に留まる。主戦場となった三軍(非公式戦)でも7試合のみと、苦しい1年となった。

 高卒では髙橋純平を3球団競合の末に獲得。高校時代の故障の治療を優先させたこともあり一軍登板はなかったものの、ファームでシーズン途中から実戦復帰し、上々の成績を残してみせた。サプライズ指名となった吉住晴斗は、一軍・ファームとも公式戦での登板はなく、三軍で25試合78回を投げ、じっくりと力をつけた。

 2010年の山下斐紹以来、9年ぶりの野手となった佐藤直樹はここまで一軍での出場はなし。ファームで51試合に出場し、ウェスタン・リーグ2位の16盗塁をマークしている。打撃面ではやや苦しんでいるものの、一軍が優勝を決めた後の初昇格を期待したい。

 日本シリーズ3連覇中で、今季も優勝目前の福岡ソフトバンクだが、その圧倒的な選手層から、ドラフト1位といえど即戦力である必要はないのだろう(そういった意味でも甲斐野は別格だったと言える)。今年のドラフトでも将来の主力候補の指名となるのか、注目だ。

(記事:林龍也)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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