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愛知の新鋭として徐々に力を付けてきた豊野。自粛期間中はウェブ会議ツールのZoomを活用したミーティングで、選手それぞれのコンディションを把握。練習の内容は選手それぞれに任せていたものの、「少し楽しみはあります」と語っていた松井優監督。選手たちのさらなるレベルアップに胸を膨らませていた。
その中で、5月20日に甲子園の中止が決まった。豊野では「甲子園に出場して校歌を歌う」ことを目標に、日々練習を積み重ねてきた。その目標が無くなり、松井監督も最初は、「選手たちに何を話せばいいのか」と頭を悩ませたとのこと。
しかしその後、愛知大会の独自大会の開催が決まり、救われたと振り返る。
「発表が出るまでは、当事者である選手たちに『何を伝えよう』と考えていました。僕らも中止を聞いてショックを受けていて、時間が経てば経つほどしんどかったんですが、甲子園の中止が決まってからすぐに発表してくださったので、僕の中でも、そして選手の中でも『独自の大会が目標だね』と切り替えることが出来ました。救われた感じでしたし、ありがたかったです」
そして6月から学校再開に合わせて部活動も通常通りに戻った。
消毒や外部の方との接触は制限をかけながらではあるが、少し前の日常が戻り始めた。現在はチーム内でミーティングをして話し合った末に、独自の大会での優勝。そしてこれまで関わってくださった方々への恩返しをすることを目標に掲げたうえで、練習を積み重ねている。
自分たちの勝利のためだけではなく、周りの方への感謝や恩返しのために独自の大会まで調整を続けるが、この自粛期間を通じてチームでは大きな変化があった。
「この自粛期間でほとんどの選手たちが筋肉量を増やして、パフォーマンスが向上していました。おそらくZoomで毎日朝9時にミーティングをしていたおかげで、生活リズムも崩れず、自主練もきっちりできたこと。そしてしっかり考えをもって練習に取り組めるようになったことが大きいと思います」
今年は松井監督が豊野に赴任して最多の16名が入部するなど、徐々に松井監督が仕掛けてきた取り組みが浸透し、花開こうとしている。7月5日、豊野は同地区の豊田高校と初戦を迎える。これまでの積み重ねを発揮し、躍進を狙う。
(記事=田中)
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