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徳島県高野連・球児に寄り添い独自の夏県大会実現へ

2020.05.21

徳島県高野連・球児に寄り添い独自の夏県大会実現へ | 高校野球ドットコム
県独自大会開催を目指すことを表明した徳島県高等学校野球連盟・小山 勉良校長

  5月20日(水)日本高等学校野球連盟(以下、日本高野連)は当初8月10日(土)から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催予定だった「第102回全国高等学校野球選手権大会」の中止を発表。この発表を受け、徳島県高等学校野球連盟(以下、徳島県高野連)は同日17時より徳島県徳島市の徳島県立城北高等学校で取材対応を行った。

 冒頭、テレビカメラの前に立った同連盟・小山 勉良会長は質疑応答形式ではなく自らの言葉で「先ほど全国理事長会議があり、大会の中止が正式に決定致しました。この事態をを受け入れざるを得ない状況ですが、3年生の気持ちを考えると何とも言えない気持ちです。非常に残念です」と球児に寄り添った気持ちを表明。その上で「県独自の大会ができるかどうか、理事会で協議していきたい。前向きに検討していきたい。できる限り開催できるように努力してまいりますので、皆さんは最後まで目標を見失わずに練習して頑張ってほしい」と県独自の大会実現へ努力を重ねていくことを表明した。

 一方、四国地区の代表理事としても日本高野連に現場の声を届けてきた須崎 一幸理事長は「日本高野連は私に送付された数多く資料を見ても、ギリギリまで『何とかできないか、開催できないか』と努力してきたことがわかる。それでも最終的には生徒の安全を保障することが難しいという判断だったということは残念ながら受け入れるしかない」と、中止という苦渋の決断を理解した上で「改めて平穏に野球ができるありがたさをかみしている。だからこそ、徳島県独自の大会もいいものが提供できるよう、最大限努力していきたい」と大会実施へ強い決意を示している。

 なお、現在の県独自大会構想としては、練習強度確保と今のところ授業再開のメドが付かない阿南高専の状況を待ち、公式部加盟全30校参加で7月中旬(18日前後)の開幕を予定。授業数の確保のため夏場も通常授業が続くことを考慮し、土・日・祝日開催を基本に第102回全国高等学校野球選手権徳島大会で全試合開催予定だった[stadium]オロナミンC球場[/stadium](徳島県鳴門市)に加え、2日間はJ[stadium]Aアグリあなんスタジアム[/stadium](徳島県阿南市)を使用し、8月中旬に決勝戦まで行う日程を想定している。

 また、最も重要な新型コロナウイルス感染拡大防止策としては無観客開催も視野に補助員は大会役員を充てる予定。すでにベンチ等の消毒をするための消毒液などを大量購入し、密閉空間になりがちな放送室の換気対策としてエアバスターも購入するなど「もし第102回全国高等学校野球選手権徳島大会を開催した場合に、採りえる準備をあらかじめ行っていた」(須崎理事長)指針をベースに、今後日本高野連から提供される試合運営、新型コロナウイルス感染拡大防止対策マニュアルなどを参照して、できうる最大限の対策を練っていく。

 今後は5月29日(金)に理事会を開き、大会開催を決定する構えの徳島県高野連。「球児に寄り添う」を大きな柱に、他の都道府県独自大会にも示唆を与えるであろう採り得るあらゆる対策を敷いて前に進もうとする「徳島モデル」には、今後も注目していきたい。

(取材・寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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