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菊池雄星、筒香嘉智らメジャーリーガー2人輩出!91年世代ドラ1の現在地

2020.05.03

 野球の世界には「松坂世代」を始め、有力選手が集まった世代を「〇〇世代」と形容する流れがある。毎年12名のドラフト1位が生まれるので、平均すれば各世代に12名のドラ1がいることになるのだが、多い世代、少ない世代というのが出てくる。そこで世代別にドラフト1位を集計し、その現在地を見ていきたい。今回は高卒11年目、29歳を迎える91年世代だ。

高卒組はほとんどがチームの主力へと成長

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横浜高校時代の筒香嘉智

 91年世代でドラフト1位指名を受けたのは、高卒6人、高卒社会人1人、大卒3人の計10人。彼らの主な通算成績は以下の通り。

<2009年ドラフト>
菊池雄星花巻東・埼玉西武・マリナーズ) 6球団競合
NPB 158試合 73勝46敗1セーブ 1010.2回 903奪三振 防御率2.77
MLB 32試合 6勝11敗 161.2回 116奪三振 防御率5.46

筒香嘉智横浜・横浜DeNA・レイズ) 単独指名
968試合 205本塁打 613打点 打率.285

今宮健太明豊・福岡ソフトバンク) 単独指名
1056試合 66本塁打 350打点 65盗塁 299犠打 打率.248

今村猛清峰・広島東洋) 単独指名
425試合 21勝30敗36セーブ 497.1回 467奪三振 防御率3.38

岡田俊哉智辯和歌山・中日) 外れ1位
300試合 17勝18敗16セーブ 360.1回 315奪三振 防御率3.27

中村勝春日部共栄・北海道日本ハム) 外れ1位
 
60試合 15勝17敗 289.1回 150奪三振 防御率4.07

<2013年ドラフト>
大瀬良大地長崎日大九州共立大・広島東洋) 3球団競合
171試合 52勝35敗2セーブ 783回 641奪三振 防御率3.38

杉浦稔大帯広大谷國學院大・東京ヤクルト・北海道日本ハム) 外れ1位・2球団競合
50試合 12勝12敗 194回 168奪三振 防御率4.41

岩貞祐太必由館・横浜商科大・阪神) 外れ外れ1位・2球団競合
85試合 26勝38敗 478.2回 436奪三振 防御率3.74

加治屋蓮(宮崎県立福島・JR九州・福岡ソフトバンク) 外れ外れ1位・2球団競合 ※高卒4年目社会人
106試合 7勝4敗 109回 79奪三振 防御率4.54

 この世代は日本を代表する選手へと成長した選手が多いのが特徴だ。最多6球団が競合した菊池雄星は、2年目から出場機会を掴むと、2016年からは3年連続二桁勝利。2018年オフにメジャー移籍を果たした。筒香嘉智は1年目から10年連続で本塁打を記録し、7年目には本塁打・打点の二冠に輝いた。昨季はチーム史上初の本拠地CS開催に貢献し、オフにレイズ移籍を決めた。

 今宮健太は3年目に一軍定着を果たすと、翌年からは不動のレギュラーとして君臨してきた。ここ2年間は故障などもあり規定打席に届かずにいるが、この6年間で5度日本一を果たしたチームに大きく貢献している。広島の勝利の方程式として活躍してきた今村猛。2年目から一軍に定着し、チームのセ・リーグ3連覇にも貢献。今季は覇権奪回の力になりたい。

 岡田俊哉は3年目から一軍で登板を続け、一時期は成績を落としたが、昨季は53試合に登板し防御率3点台と復活。若手投手陣も育ってきたチームにおいて、今季は強竜復活の中心的存在を担いたいところだ。1年目から勝利を挙げ、5年目には8勝とステップアップしていた中村勝だが、以降は故障の影響で4年間で3勝にとどまり、昨オフ戦力外通告を受けた。現在はオーストラリアのリーグで現役を続行している。

 高卒社会人では、加治屋蓮がドラ1指名。高卒4年目での指名のため、大卒選手たちと同期となった。加治屋は5年目の2018年に72試合に登板し、ブレイク。昨年は30試合登板に止まったが、今季はシーズン通して戦力となりたい。

 大卒では投手3人がドラ1指名を受けた。大瀬良大地は1年目に10勝を挙げ新人王を獲得すると、中継ぎへの配置転換を経て先発に復帰。5年目には最多勝・最高勝率のタイトルを獲得。世代を代表する投手へと成長した。

 入団後早々に右ひじの故障に見舞われるなど、ヤクルトでは力を発揮できなかった杉浦稔大。2017年シーズン途中に日本ハムへトレード移籍すると、昨季は自己最多の4勝。今春オープン戦では好投を見せており、先発ローテーション入りが期待される。岩貞祐太は3年目に10勝を挙げるなど、これまで全85試合で先発投手として登板してきた。今季は先発ローテーションに定着し、チームの優勝に貢献したい。

 高卒組はそのほとんどがチームの中心選手として活躍を見せている91年世代。大瀬良以外の大卒組は今一つ壁を越えられずにいるが、本来の力を発揮して主力へと成長することができるか、注目していきたい。

記事:林龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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