福知山成美vs立命館
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福知山成美・谷口が1安打完封!
1安打完封勝利を収めた谷口天誠(福知山成美)
福知山成美が3年ぶりの近畿大会出場に一歩前進した。
この試合で大活躍を見せたのが、福知山成美のエース左腕・谷口天誠(2年)だ。一塁側のプレートに軸足を置き、スリークォーターから独特の角度で両サイドいっぱいにストレートを投げ込む。球速自体は130キロ前後だと思われるが、ボールに力があり、立命館の各打者は対応に苦しんだ。変化球も右打者にフォーク、左打者にスライダーが決め球として有効に使うことができており、序盤から三振の山を築いた。
打撃でも2回表と4回表に適時打を放ち、2安打2打点の活躍で自らを援護。6回まで失策による一人しか出塁を許さず、ノーヒットノーランも現実味を帯びてきた。しかし、7回表に二死から4番・川島大和(1年)にツーシームをレフト前に運ばれ、偉業達成とはならず。それでも、「(ノーヒットノーランの)意識はなかったです」と気持ちを切らさず、後続を抑えて1安打完封。8回以外は全て三振を奪い、13奪三振の快投を見せた。
今夏の京都大会でも好投を見せていた谷口。「試合ごとに良くなっている」と井本自宣監督が話すように秋に入って、さらに調子を上げている。「抜け球とかもあったので、次は改善できるように頑張ります」と本人はまだ現状に満足していないが、高校生レベルで打ち崩すのは容易ではないだろう。準決勝では夏の甲子園4強の京都国際と対戦するが、好ゲームが期待できそうだ。
「ピッチャーを中心に守りのチームだと思っているので、とにかくロースコアで最終的には1点でも多く取りたい」と次戦に向けての展望を語った井本監督。勢いに乗る強敵を倒して近畿大会出場に繋げたいところだ。
谷口の投球に翻弄された立命館の吉田達朗監督は「打てなかった。それだけです」と悔しさを露にした。3番の横山晴駿(2年)や唯一の安打を放った川島など、スイングに力のある打者は多く見受けられた。春以降に向けて対応力を磨いていけば、さらなる上位進出を狙えるのではないだろうか。
(記事=馬場 遼)