試合レポート

京都国際vs立命館宇治

2021.09.25

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京都国際がコールド勝ちで近畿大会出場に王手

京都国際vs立命館宇治 | 高校野球ドットコム
1回裏に先制の適時二塁打を放った平野順大(京都国際)

 夏の甲子園4強の京都国際がコールド勝ちで近畿大会出場に王手をかけた。エースの森下 瑠大(2年)は2日前に背中の張りを訴えて万全の状態ではないため、ベンチスタート。「練習では一番良いボールを投げている」と小牧 憲継監督が期待を寄せる背番号10の森田 大翔(2年)を先発マウンドに送った。

 森田は立ち上がりに一死から連打を浴びて一、三塁のピンチを招くも4番・林 憲伸(2年)を併殺に打ち取り、無失点スタート。その裏には4番・平野 順大(2年)の適時二塁打などで3点を先制し、序盤から主導権を握ったように見えた。

 しかし、森田は指揮官の期待に応えることができず、2回と3回に1点ずつ返されると、4回表には1番・塚本遵平(1年)と3番・築山 隆翔(1年)に適時打を浴びて、逆転を許してしまう。5回は松岡 凜太朗(1年)が登板するも野選で1点を失い、2点ビハインドで前半を終えた。

 流れを変えたい京都国際は6回から森下を投入。失策と2四球で二死満塁のピンチを招いたが、7番・岩間 倫太朗(2年)をストレートで空振り三振を奪い、追加点を許さなかった。

 すると京都国際はその裏、2失策から一死二、三塁のチャンスを作ると、上野 響平(日本ハム)の弟である7番・上野 楓真(2年)の適時内野安打で1点差に迫る。続く森下は三振に倒れたが、二死一、三塁とチャンスが続き。5回から二塁の守備についている金沢玲哉(1年)がライト線を破る2点適時三塁打で逆転に成功。流れを掴んだ京都国際は、その後も着実に追加点を奪い、終わってみれば8回コールドの圧勝だった。

 森下も万全の状態ではなかったが、要所でストレートがコースに決まり、3回を投げて1安打、2四球、5奪三振で無失点の好投。1週間後の準決勝までに、どれだけ状態を上げられるかに注目だ。

 甲子園4強のレギュラーが多く残り、新チームも力があると見られていた京都国際だが、「精神力、チーム力が課題」と小牧監督は精神面で3年生の穴が大きいと感じている。プロ志望届を提出した中川勇斗(3年)の後継捕手は夏まで三塁手で主将に就任した辻井 心(2年)が務めている。中学時代は捕手だったとはいえ、経験の浅さは否めない。寮で同部屋の中川に配球やキャッチングなどについて教わっているそうで、捕手としての技術はまだまだ発展途上。「勝ち続ける中で一つずつ成長してくれていったらと思います」と小牧監督は今後の成長に期待している。

 準備期間が少ない中でもしっかりと4強まで勝ち残った京都国際。準決勝に勝利すれば、3季連続で近畿大会の出場権を獲得することができる。大勝にも「まだ守備の連係が練習から甘い部分がある」と気を引き締めた辻井。甲子園常連校の道を歩むためにも次で負けるわけにはいかない。

 繋がりのある打撃で一時はリードを奪った立命館宇治だが、6回以降は京都国際の猛攻に屈した。「ビッグイニングを作られないように試合を進めようと守り中心で考えていましたが、完全に守り負けですね」と肩を落とした里井 祥吾監督。6回の2失策が相手に流れを渡す要因となってしまった。だが、3安打を放った築山ら実力者は揃っている。「期待が持てる学年なので、一から立て直していきたいです」と指揮官は春以降の巻き返しを誓っていた。

(記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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