西武文理vs不動岡
メンバー15名欠場で挑んだ西武文理 急遽先発の左腕・菊地の粘投で大きな1勝
6回1/3を8安打自責点3の粘投を見せた菊池（西武文理）
24日、所沢航空記念公園野球場の第二試合では、春季埼玉県大会の1回戦、西武文理と不動岡の試合が行われ、西武文理が9対6で不動岡を振り切り初戦突破を決めた。
西武文理は試合開始前から試練が訪れていた。大会直前でスポーツクラスに所属する15名の部員が濃厚接触者扱いとなり、エースの中村光、正捕手の八尋圭太のバッテリーや地区予選の所沢戦では本塁打を放った村井陽など主力選手の欠場が余儀なくされた。そのため、スタメンには1年生の山崎聖蘭や背番号2桁の選手などが名を連ね、県大会の初戦に挑んだ。地区大会はほぼ主力メンバーが固定で出場していたため、この欠員は痛かった。
先発のマウンドに登ったのは背番号3をつけた左腕・菊地峻太朗。秋に1試合リリーフ登板をしたものの、結果が振るわず野手に転向していた選手。二番手、三番手の投手陣も欠場した中で、「お前しかいない」と当人に伝え、菊池に急遽、初戦の先発という大役を託した。
「とにかく力まないように、6割、7割の出力で」と指揮官の助言を受けた菊池は6回まで5安打1失点にまとめ、先発の役目を果たす。打線は4回に6安打を集め一挙8得点を奪い試合の主導権を握った。
9対1の8点リードで迎えた7回のマウンドで菊池は先頭から3連打を浴び、2失点を喫し降板。投げ込みができておらず、終盤で疲れが出てしまった。それでも主将の堀佑太郎は「初回からいい投球をしてくれて流れを作ってくれたことはチームとして大きかったです。点を取られるのは想定内だったので、焦りはなかったです」と菊池の粘投を労った。
7回に5失点を喫すも、その後は得点を許さず総力戦で勝利を掴み取った西武文理。次戦は26日に本庄東と2回戦を戦うが、次も今回と同じメンバーで戦うことなるようだ。「出たくて仕方ない選手が出れない状況なので、彼らのためにもなんとしても勝つ」。主将の堀は前を向く。
（取材＝藤木 拓弥）
