試合レポート

東海大浦安vs市立銚子

2021.04.24

東海大相模ばりの積極性!8回コールド勝ちの東海大浦安が見せた組織的な野球

東海大浦安vs市立銚子 | 高校野球ドットコム
ランニングホームランを放った東海大浦安1番・小河原 悠末

 千葉県屈指の実力校・東海大浦安が、市立銚子を9対2で破って初戦を突破した。

 初回に東海大浦安が一死三塁から4番・岡 夏輝の三遊間を破るタイムリーと、5番・溝江 悠騎の犠牲フライで2点を先取。さらに3回には6番・鯵坂 賢弘のタイムリーで3対0と、東海大浦安が試合の主導権を握った。

 先発の濱崎 亮輔は120キロ台の真っすぐと100キロ台の変化球を織り交ぜる投球。市立銚子打線を3回までヒット1本に抑えるピッチングで流れをがっちりつかむと、4回は1番・小河原 悠末のランニングホームラン。さらに5回にも1番・小河原からタイムリーが飛び出し、5対0とリードを広げた。

 東海大浦安先発の濱崎 亮輔が7回途中で2失点という内容だったが、終盤にも点数を重ねて9対2の8回コールドで東海大浦安が勝利した。

 初戦突破を果たした東海大浦安だが、随所に光る走塁を見せる瞬間があった。特に3回の得点シーンは素晴らしいものだった。二死から出塁した5番・溝江を一塁において、打席の6番・鯵坂がセンター前へ。

 この打球を相手野手がもたついている間に、一塁ランナーの溝江は一気にホームへ。さらに打った鯵坂もベース付近では少し減速気味だったが、相手野手がミスを確認したうえで再びトップスピードへ。そのまま二塁を陥れるレベルの高い走塁を見せてくれた。

 6回の得点シーンでも、1番・小河原のセカンドへの内野安打で二塁ランナーの大森がホームに生還ている。選手それぞれの走力はもちろんだが、ミスを逃さない思い切りの良さ。その裏付けにある技術と判断が光っていた。

 秋の大会が終わってからの練習試合で、二死二塁からなかなかホームまで戻れないことが多かったという東海大浦安。そこでバッティング練習から走塁練習も同時に行ったり、塁上の外野の位置確認。また声掛けや相手野手のミスを逃さないと言ったことを徹底し、「1本のヒットで1つの先の塁まで狙う」意識に変えてきた。その結果の表れが、市立銚子戦で見せた好走に繋がっていた。

 そしてもう1つ東海大浦安を見ていて光っていたのが、守備だ。セカンドの徳山 俊とセンター・小河原を中心にシフトの確認を綿密に行う様子が多く見られた。小河原が言うには、同じ東海系列で、選抜で優勝した東海大相模を参考にしている部分でもあるそうだが、最近になって形になってきたと徳山主将は手ごたえを感じている。

 「ベンチにいる監督、もしくは選手からの情報を内野の自分たちから外野まで繋ぐようにしています。ただ事前準備についてはもっとできるところもあるので、これから詰めていきたいと思います」

 ベンチから外野までの縦の連携。そして野手間においても、相手打者のスイングや打球方向。さらには風向きや打球の見え方を確認したうえで、声を掛け合って一斉に守備位置をずらす。こうして横の連携を通じて守備位置のバランスを崩すことなく守る。システム的な守備には「穴は少ないと思います」と徳山主将も手ごたえを感じている。

 次戦は八千代松陰。この試合3安打の小河原は「自分たちのペースで出来ればと思います」とコメント。徳山主将は「レベルの高い八千代松陰さんに勝って、スローガンは下克上ができればと思います」と意気込みを語った。連戦となるが、夏のシードを確保できるか。

(取材=田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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