試合レポート

京都外大西vs大谷

2020.07.18

京都外大西が最終回に6点差を追いつき、タイブレークで大谷を下す!

 京都外大西はプロ注目のスラッガー・18152(3年)を2番捕手で起用し、1年中堅手にはポニーリーグ日本代表に選ばれた実績を持つ西村瑠伊斗(1年)を抜擢。1回表にはこの二人の連打で先制のチャンスを作るが、後続が続かず、無得点に終わる。

 対する大谷はその裏、相手守備の乱れから一死満塁のチャンスを作ると、5番・小林次朗(3年)の併殺崩れで1点を先制する。3回裏には京都外大西がエースの河田朋也(3年)を投入してきたが、小林次の適時二塁打と相手のバッテリーミスで2点を追加。序盤から大谷が試合を優位に進める。

 反撃したい京都外大西は4回表に一死一、二塁から吉田の適時二塁打で1点を返す。なおも二、三塁とチャンスは続いたが、続く山下は投手ゴロ、3番・秋山桐英(3年)は遊撃ゴロに倒れ、1点止まりに終わった。

 相手の反撃を最小限に食いとどめた大谷は5回裏に打者10人の猛攻で4点を追加。リードを6点に広げられたところで京都外大西は河田を諦め、先発した原慎之介(3年)を再びマウンドに送った。

 京都外大西は6回まで10安打を放ちながらも、10残塁と好機でことごとく一本が出ていなかった。このまま大谷の勝利で終わるかと思われたが、秋の京都国際戦で5点差をひっくり返している京都外大西はこの日も驚異の粘り強さを発揮した。

 7回表に四球と連打で無死満塁とすると、途中出場の岡田朋士(3年)が右前適時打を放ち、1点を返す。さらに一死後、8番・木村翔大(3年)が押し出しの四球を選ぶ。その後、相手の失策と内野ゴロで2点差に迫り、二死二、三塁と一打同点の場面で打席に立つのは山下。大谷の外野陣は長打を警戒して、定位置よりも後ろに下がっていた。1ボール1ストライクから放った山下の打球はライト線へのフライとなる。定位置であれば追いついていた打球かもしれないが、右翼手が深く守っていたこともあり、打球はフェアゾーンに落ちる。この間に二者が生還し、ついに同点に追いついた。

山下にとっては会心の当たりではなかったが、「あそこでポテンヒットを打てるのは評価できます。勝負強いのは大事ですから」と上羽功晃監督は山下の打撃を称賛。主砲の泥臭い一打でタイブレークに持ち込んだ。

 8回表の京都外大西の攻撃は右飛と一塁ゴロで二死二、三塁とし、ここで岡田が左中間に2点適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功。続く原の適時二塁打でさらに1点を追加した。

 3点ビハインドを背負った大谷も意地を見せる。二死満塁から6番・石田陽聖(3年)が適時内野安打を放ち、1点を返す。なおも二死満塁と一打同点の場面が続いたが、最後は7番・馬場一磨(3年)が三振に倒れてゲームセット。6点差を跳ね返した京都外大西が初戦を突破した。

 山下は大会前に木製バットで打席に立つ意向を示していたが、チームメイトの依頼により、金属バットで試合に臨んでいる。この日は本塁打こそなかったが、7回の同点打を放つなど、5打数2安打2打点とまずまずの活躍を見せた。それでも、「打とう打とうとして前に行ってしまったので、次は溜めて打つことを意識していきたいです」と反省。高校通算36本の強打者が次戦以降で爆発することができるだろうか。

(記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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