試合レポート

花咲徳栄vs拓大紅陵

2019.10.20

好投手・竹内を打ち砕いた花咲徳栄打線 11得点7回コールドで準々決勝へ

花咲徳栄vs拓大紅陵 | 高校野球ドットコム
先制のタイムリースリーベースを放った之井上朋也(花咲徳栄)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 この夏、5年連続の甲子園出場を果たした花咲徳栄。今や埼玉県のトップに君臨していると言っても過言ではないが、新チームも全国トップクラスの打撃力を有している。
 秋季関東地区大会1回戦の拓大紅陵との試合でも、その実力を遺憾なく発揮した。

 まずは初回、一死二、三塁から4番・井上朋也がセンターオーバーのタイムリースリーベースを放って2点を先制すると、なおも一死三塁から5番・中井大我もタイムリーヒットを放ってさらに1点を追加する。
 その後さらに1点を追加し、初回だけで4点を奪った花咲徳栄は、2回にも2本のタイムリーでさらに3点を追加。序盤で拓大紅陵を一気に突き放し、試合の主導権を握った。

 投げては先発の高森陽生が6回途中までノーヒットピッチングを展開し、拓大紅陵打線に隙を与えない。
 左オーバーハンドの高森の魅力は、フォームのバランスが良いところだ。バックスイングを取る際に左肩がやや大きく下がるが、メカニズムに問題はなく下半身主導の安定したフォームでボールを投げ込む。フォームが良いため制球力も良く、安定したピッチングができるのだ。
 花咲徳栄はその後も追加点を重ね、結局試合は7回コールドの11対1でゲームセット。花咲徳栄が強打で準々決勝進出を果たした。

花咲徳栄vs拓大紅陵 | 高校野球ドットコム
拓大紅陵のエース・竹内将悟

 一方、敗れた拓大紅陵はエースの竹内将悟の不調が響いた。
 秋季千葉県大会では専大松戸を完封しているように、非常にキレのある直球が持ち味の好投手であるが、この試合ではストレートの走りは今一つで、配球もストレートの一本調子であった。
 甘く入ったストレートを簡単に弾き返される場面が目立ち、早々に主導権を握られる形となった。

 もう少し緩急をつけたピッチングをすることが、今後の課題になってくるだろう。現在は緩い変化球だとチェンジアップを投げているが、カーブなどカウントを取れるボールが増えてくれば、ピッチングにもメリハリが出てきて楽に組み立てることが出来るだろう。

 また打線も6回途中までノーヒットであったが、工夫がなく打ち取られる場面が多かった。打者一人ひとりがもう少し粘りや揺さぶりの意識を持てばまた違った結果になったかもしれない。これが春までの課題となるだろう。
 実力のあるエースはいるだけに、春こそは関東での上位進出に繋げたい。

(文・=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.10

仙台育英卒業生の進路は超豪華! 主将はプロ入り、主力は早大、明大、中大ら名門へ進学し、すでにデビュー組も多数!

2024.06.09

徳島招待試合2日目は天候不良のためノーゲームに、第2試合も中止を発表

2024.06.09

大阪桐蔭、敗れる! センバツ8強・阿南光の吉岡を攻略できず、エース平嶋は7回被安打10【徳島招待試合】

2024.06.09

【大学選手権注目選手リスト】ドラフト指名漏れの真鍋慧(大商大)ら大物ルーキーが全国デビュー! 青学・西川&大商大・渡部のドラ1候補スラッガー、早大・伊藤、仙台大・渡邊ら3年生の好投手も登場!

2024.06.10

【大学選手権注目ドラフト候補・野手編】”飛び級日本代表”の青学・西川に大商大・渡部ら全国のスラッガーが神宮に集結!

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.10

仙台育英卒業生の進路は超豪華! 主将はプロ入り、主力は早大、明大、中大ら名門へ進学し、すでにデビュー組も多数!

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得