二松学舎大附vs昭和一学園
足を絡めた試合運びで二松学舎大附が駒を進める！！
3安打を放った有馬卓瑠（二松学舎大附）
[stadium]神宮第二球場[/stadium]で行われた第二試合は、二松学舎大附対昭和第一との一戦。
都大会2回戦と序盤ながら両校ブラスバンド部、そして二松学舎大附はチアリーディング部も駆けつけるなど両校の夏大会さながらの意気込みを感じる。
初回から、二松学舎大附打線が打者一巡の猛攻をみせる。
1番・有馬卓瑠のヒットを皮切りに2番・門脇司が送りバントを決めて一死、二塁とチャンスメイク。続く、3番・野村昇大郎がセンター前で繋ぐと4番・右田稜真の打席で相手先発・館慎太郎が暴投。労せず1点を先制する。その後、7番・山田将義がレフト前タイムリーで2点を追加し試合を優位に進める。
初回から援護点をもらった二松学舎大附の先発・海老原凪が快投を披露。
一死後、2番・石井真之に内野安打を許すが巧みにランナーを誘い出し、牽制死で落ちついたマウンド捌きを見せる。
2回も先頭に立った1番・有馬がレフト線へのツーベースヒットで出塁。この試合で1番を努めた有馬が非常に振れていた。2回のツーベースヒットも決して甘い球ではなかったが、内側からバットを出し高めの難しい球を見事弾き返した。
その有馬を三塁に進めると、3番・野村がキッチリ犠牲フライを放ちさらに1点を追加。
反撃をみせたい昭和第一打線だが、海老原のスピンの効いたストレートを捉えることが出来ない。市原監督は試合後、「海老原が良く投げてくれた。大事な初戦を任せて良かったです」と手放しで褒め称えた
見事な投球を披露する海老原凪（二松学舎大附）
二松学舎大附ベンチは、中盤からは機動力を絡めた攻撃を披露する。この日猛打賞となる有馬がヒットで出塁。2番・門脇の打席ですかさず盗塁を決めてチャンメイク。すると、門脇の送りバントが三塁線で転がるが全力疾走で一塁セーフでチャンスを拡大する。１、2番共に足のある打者が並び、相手の隙をつく走塁や攻撃でプレッシャーをかけるのが二松学舎大附打線。このチャンスを3番・野村がタイムリーヒットを放ち、勝負強さを見せつけた。
その後も、効果的に得点を重ね7回コールドで二松学舎大附が次戦へ駒を進めた。
安定の試合巧者ぶりを発揮した二松学舎大附打線。
市原監督は、「選手が固くなっていたので、まずは足を使った攻撃で何とか勝てました。夏の大会でも必ず初戦は存在するので、選手たちには力まずやってもらいたい」と選手を奮闘を労っていたのが印象的。この日、先発した海老原も秋はエース番号を背負った選手。市原監督は、冬の頑張りを見て大庭颯仁にエース番号を付けさせた。競争心を常に持つことが、強豪たるチームなのかもしれない。
初めて4番に入った右田は、「やはり、4番だと配球の攻め方が違いました」と早速の4番打者の洗礼を浴びた。昨年末のキューバ遠征で木製を使用したことで、芯に合わせる技術が身に付いたと語ってくれた。センバツの話を聞くと、「決勝戦だけ見ることが出来ましたが、東邦石川君の飛ばす力に驚きました。」と同世代の活躍も励みになっているようだ。
昭和第一は、海老原の前に手も足も出なかったのが率直な感想だろう。散発の3安打に抑え込まれ、なす術がなかった。しかし、牽制や守備の安定性は光るものがあったのは確か。夏に向けてもう一度、打線を見直す必要があることが実感できた試合であり、ただの敗戦にしないように今後の取り組みが重要となる。
（取材＝編集部）
