試合レポート

慶應義塾vs相模原

2018.04.15

【慶應義塾 VS 相模原】 ~慶應義塾が初戦を快勝で飾り、好発進~

慶應義塾vs相模原 | 高校野球ドットコム
緩急をつけたピッチングで抑えた渡部(慶應義塾)

 保土ヶ谷球場の第1試合は、慶應義塾VS相模原

 春の選抜甲子園に出場した慶應は初戦で滋賀県の進学校、彦根東に競り負けたが、選抜出場校ということで今大会は予選を免除され、3回戦からの登場である。その慶應義塾に、県立の雄、相模原が挑む。

 朝は雲に覆われ、ひんやりとしていたが、晴れ間がでて気温が上がってきた。気温14.8℃、湿度64%、東北東の風1.6m/s。西から前線を伴った低気圧が近づいており、これから天気は下り坂だが、きょうの試合は天気が持ちそうである。9時50分に試合開始のサイレンが鳴った。

 試合は序盤から動く。慶應義塾は1回表、相模原の先発右腕、菅地に対し1死後、2番大川が死球で出塁すると、3番宮尾が1塁線を鋭く破る2塁打を放ち、ランナー2、3塁のチャンスを作る。ここで4番廣瀬がライトへの犠牲フライで1点を先制。しかし、菅地は5番奥村をスライダーで3球三振に討ち取り、最少失点で切り抜ける。

 続く2回表、慶應義塾は四球で出塁して盗塁した7番石田を2塁に置いて、バッターは9番渡部。渡部の打球はショートゴロで3アウトかと思われたが、イレギュラーバウンドがショートのエラーを誘い、ラッキーな2点目が入る。菅地は次の1番下山は緩い変化球で三振に抑え、この回も1失点で切り抜けるが、慶應義塾は3回表にビッグイニングを迎える。
 先頭の2番大川がセンター前ヒットで出塁すると、当たっている3番宮尾は送りバントの構えから、予想通りのバスターでショートへの内野安打を放ち、無死1、2塁と追加点のチャンス。ここで4番廣瀬も送りバントの構えからバスターで初球を強振。打球は東寄りの風にも流され、左にフックする大飛球。ボールはレフトポールの左を通過したように見えたが、3塁審判は腕を頭上で大きく回し、ホームランの判定。廣瀬の3ランホームランで慶應義塾が5-0とリードし、さらに5番奥村が死球で1塁に歩いた所で相模原は投手を菅地から柴田に交代。しかし、柴田はセカンドのエラーの後、連続四球で6点目を与えてしまう。

 相模原はその後、3番手に左腕の加藤が登板し、無死満塁のピンチを1番下山の犠牲フライによる1失点でしのぎ、続く5回も無得点に抑えるが、慶應義塾は、また6回表にたたみ掛ける。四球の2番大川を1塁に置き、3番宮尾は高めのボール球をレフト前に流す技ありのヒット。宮尾のきょう4本目の安打にエンドランが成功し、無死ランナー1、3塁となった所で、相模原は4番手投手に宇佐美を送り込む。

 宇佐美は慶應義塾のクリーンアップをキャッチャーフライ、ファーストのファールフライに抑えて、バッターは6番関。関の打球は鋭いライナーとなるが、レフト正面。捕球体制に入り、3アウトかと思われたが、ボールはレフトのグラブからこぼれ、痛恨の2点を献上。

 何とか反撃したい相模原だが、慶應義塾の先発、渡部の緩急をつけたピッチングに抑え込まれる。5回裏には8番風間がレフトポール際に慶應義塾の廣瀬と同じような大飛球を放つが、惜しくもファール。また6回裏には2番手の駒形から1番及川のレフト前ヒット、3番近藤のライト前に落ちるヒットで1死1、3塁のチャンスを作ったが、後続が倒れ、無得点に終わる。7回裏も3番手の山下に対し、9番小島の内野安打と2つの四球で2死満塁と食い下がったが、最後は代打の徳永が三振に屈し、コールドゲームが成立。慶應義塾相模原を9-0で下して4回戦進出を決めた。

 慶應義塾は初戦だったが硬さは見られず、エース生井を温存しての快勝。一方の相模原は、3つのエラーが失点に絡んでしまったのが痛かった。また、3回表の慶應義塾のレフトへのホームランだが、3塁線のほぼ延長線上のネット裏で観戦し、ボールの行方を追っていた筆者には、この打球はファールに見えた。何とも微妙な判定だったが、結果的には、この3ランが、試合の流れを大きく決定付ける形となった。

(文=松田 祥二郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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