日体大荏原vs朋優学院
日体大荏原が好投手・小森を攻略!ベスト32進出!
シード校・朋優学院が登場。相手は伝統校・日体大荏原。どちらもスカイブルー基調のユニフォームで近くで見ないと見分けがつかないほど。しかもエースがサウスポーと、共通点が多いチーム同士の対決となった。
試合は乱打戦となり、12対7で日体大荏原が制し、シード校・朋優学院が初戦で姿を消すこととなった。ここで、主力選手たちについてレポートをしていきたい。
日体大荏原の先発・島田青空(3年)は181センチ80キロの左腕。テークバックを頭の後ろにもっていく独特のテークバックから繰り出す直球のスピードは、常時125キロ~128キロと突出して速いものではないが、コマンドの力が高く、両サイドへ厳しく決まる。走者を背負ってからの安定感も高い。しかし回を追うごとに制球が甘くなり、中盤は打ち込まれてしまった。
春16強に導いた小森佑真(3年)は、春よりもレベルアップを遂げていた。ワインドアップからゆったりと入り、右足を高々と上げていきながら下半身主導の体重移動に入っていき、テークバックを大きめにとって、鋭い腕の振りから投げ込むストレートは常時120キロ後半~135キロを計測する。春先よりも130キロ台を計測することが多くなり、しっかりと腕が振れて指にかかった時のストレートは脅威。投手としてワンランクレベルアップを遂げている。春先よりも次のステージへ意識できる投手へ成長を見せている。
このストレートを見れば、まさに好投手。それでも12失点してしまうのが何が原因なのか。ストレートが速くなったことによる、過信が見られた。小森の配球を見るとストレートが多かった、ストレートの割合が多いことは決して悪くないのだが、カウントをとりにいく変化球の精度が甘かった。1回裏、日体大荏原が4番山田 杏太(2年)に甘く入ったカーブを思いきり引っ張り、左越え適時二塁打で1点を先制を許す。
その直後、朋優学院は、3回表に、敵失で追いつき、さらに二死から4番近田(3年)の適時打、さらに二死から6番中村克樹(3年)の中前適時打で一気に3点を入れて、3対1にとしたが、その後は打撃戦となった。小森はカウントを取る変化球、決めに行く変化球の精度が高ければ、もっと違う試合展開になっていたかもしれない。だが、小森を攻略した日体大荏原打線は脅威だ。
先制打を打った山田は2本の二塁打。パンチ力溢れる右の強打者で、スローイングの安定性もある捕手。そして一番の平田涼は第1打席で小森から痛烈な中前安打を打ったように、バットコントロールが長けた左の巧打者。スクエアスタンスでインパクトまで無駄のないスイング軌道で鋭い打球を振り抜くことができる選手。当てる能力が高く、さらに打球も力強い。小森相手にこれほどの打撃ができるのだから、新チーム以降の頭1つ抜けた活躍が期待できる選手といってもいいのではないだろうか。
2年生に多くの逸材が集結している日体大荏原。この勝利は、チームを大きく成長させるきっかけになった試合になったことは間違いない。
(レポート=河嶋 宗一)