履正社vs市立呉
堂々と投げきったエースの収穫と課題
履正社vs市立呉
敗れはした。だが、指名選手としてお立ち台で取材を受けた市立呉のエース・池田吏輝（3年）に表情は清々しかった。
「思ったより打たれなかったのは収穫」。相手は秋の日本一に輝いた履正社。3番・安田尚憲（3年）、4番・若林将平（3年）を中心にした強力打線を考えると、「点を取られる」という意識になるのは無理もない。事実、1回に若林にタイムリーを浴びた1球は、甘く入った球を逃してくれなかったものだった。
それでも2回以降は低めを丹念につく。中村信彦監督から、「体を開かないように前で腕を振るように」とベンチに戻るたびに何度もアドバイスされた。「ランナーを気にしすぎた」という1回戦（至学館戦）の反省も生かされる。先頭打者を出塁させて送りバントで走者を進められても、確実にアウトを一つ取ることを重ねた。終わってみれば、失点は初回の1点だけ。安田はノーヒットに抑え、若林に対しても2打席目以降は封じた。
「注目されていた安田君、若林君と対戦できて楽しかった」という言葉がスラッと出るほど、池田のピッチングは堂々としていたものだった。秋からの公式戦では最高のデキと言っていいだろう。
それでも0対1で勝つことはできなかった。「もっとボールのスピードを上げて、無駄なランナーを出さないようにしていきたい」と課題を話した池田。今度は1対0で勝てる投手になって甲子園に戻ってきてほしい。
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