興南vs宜野湾
140キロの剛腕対決。興南・上原が先輩の格を見せつけた!
上原麗男(興南)
興南・上原麗男が初回143kmをマークすれば宜野湾・國仲祐太も4回に140km。共に勢いのあるストレートで緊迫した投手戦を展開したが、上原が先輩格を見せつけた。
興南は初回、エラーと盗塁、犠打で一死三塁とすると3番上原がレフトへきっちりと上げる犠飛で先制。続く2回、6番嘉数尊に二塁打が生まれるとここも犠打で進める。8番諸見伸彦が逆らわずライト前へ流して2点目を奪った。
対する宜野湾も1回裏、1番平良幸喜が右中間を破る三塁打を放つが、後続が上原の前に倒れてしまい同点に出来なかったことが悔やまれる。その一打で「仲間に迷惑を掛けるピッチングだけはしない」と、スイッチが入った上原が全力投球。5回まで、宜野湾打線をそのヒット1本のみに抑えた。
「中盤はストレスがたまる展開」と、興南・我喜屋監督。その理由のひとつが3回の攻撃だった。上原が死球で出塁したものの、続く二人がバントで進めることが出来ず二塁フォースアウト。「大きいのを狙ってもいいときと、進めることなどチームの中でやるべきことをきっちりやることの区別が出来ていない」と、課題がまだあることを指摘した。しかし、その憂いも9回に晴れる。
一死から8、9番に連続ヒットが生まれ一・三塁。トップの仲村匠平がスクイズの構えから外された格好になった。しかし、三塁走者は走っていない。「一塁走者の盗塁を助けようと考えてやったんでしょう」と、仲村のフェイクを我喜屋監督は説明した。二死となったが、2番伊礼希龍が思い切り引っ張った打球がライトを転々とする。欲しかった追加点。
さらに上原も「大きいのはいらない。センター返しを心掛けた」結果、タイムリーとなった。その裏、國仲に2点ホームラン(國仲自身、公式戦では初の本塁打)が飛び出したが「5対0ということもあり、ストライクを取りにいってしまった」と、上原は反省したが、「余計な点を与えちゃったけど、今大会初登板で完投出来たことは収穫かな」と、指揮官も納得の上原の出来だった。
第66回沖縄県高校野球秋季大会2回戦のコザvs宜野湾戦のレポートで、國仲を「魅力たっぷりの選手だ」と書いたが、順調過ぎるほどに成長している。試合前に話していた通り、打たせて取ることを心掛けて7回まで三振は僅か2個だったが、8回に上原、中山とクリーンアップを連続三振斬り。9回も一死二、三塁で仲村を三振に取るなど、力強さを見せつけた。「相手が狙ってても打たれないストレートを身に付けたい」と誓った國仲。チームメートでありライバルの東(ケガでこの大会は当番なし)と切磋琢磨し且つ、この敗戦が國仲をさらに成長させることだろう。
(文・写真=當山 雅通)
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