試合レポート

水城vsつくば秀英

2016.09.29

水城、つくば秀英の最速141キロを誇るエース左腕・北山を攻略!

水城vsつくば秀英 | 高校野球ドットコム

水城先発・征矢隼輔

 準々決勝第2試合は第3シード・水城つくば秀英のカードだ。つくば秀英の先発・エース左腕・北山 大毅(2年)は最速141キロを誇る。球速ではこの世代の左腕で県内最速だろう。

 水城の先発は、1年春から公式戦に登板している背番号18の右腕・征矢 隼輔(1年・オール茨城)だ。こちらはまとまりのある好投手として評判だが初見となる。

 1回表、つくば秀英水城・征矢の立ち上がりを攻める。一死から2番・稲見 聖也(2年・協和中)がレフト前ヒットで出塁し、送って二死二塁から、4番・戸田 大樹(2年・結城中)のライト前タイムリーで1点を先制する。

 1回裏、先制を許した水城が反撃する。一死から2番・星 恵太(2年・オール茨城)がセンター前ヒットで出塁すると、ピッチャーの一塁牽制悪送球で一気に三塁まで到達する。一死三塁となるが、つくば秀英の内野陣は前進守備を敷かない。続く3番・朝倉 大智(2年・オール茨城)のショートゴロの間に三塁ランナーが生還し、水城が同点に追いつく。

 2回裏、水城は一死から四球と送りバントで二死二塁のチャンスを作るが、9番・大串 竜太郎(1年・水戸シニア)は空振り三振に倒れる。

 3回裏、水城が大量点を奪う。2つの四球と4番・樫村 昌樹(2年・水戸シニア)のレフト前ヒットで一死満塁とし、5番・藤田 祐也(2年・県東選抜)のレフト前ヒットで1点を追加する。

 ここで、つくば秀英は2番手に背番号10の赤司 太一(2年・城南ボーイズ)を送る。なおも一死満塁とし、6番・安 汰来夢(1年・ひたちなかボーイズ)はピッチャーゴロで本塁封殺で一死。そこから一塁に転送されるが、暴投となり二走・樫村が生還する。さらに二死一、三塁となり、7番・箕内 斗夢(1年・ひたちなかボーイズ)のレフト前タイムリーで1点を追加し、この回3点を奪う。

 4回裏、水城は攻撃の手を緩めない。先頭の9番・大串がセンター前ヒットで出塁し、2つの四球で二死満塁とし、5番・藤田の振り逃げで1点を追加する。6回裏、水城は先頭の1番・照沼がレフト前ヒットで出塁し、盗塁とエラーで一死一、三塁から、4番・樫村のセンター犠牲フライで1点を追加し、その差を5点とする。


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北山大毅(つくば秀英)

 つくば秀英は2回から6回までを三者凡退に抑えられるが、7回に久しぶりにヒットが出る。先頭の3番途中交代・江藤 大樹(1年・小山城南中)がセンター前ヒット、4番・戸田がレフト前ヒットを放ち、送って一死二、三塁と反撃のチャンスを作る。しかし、6番・長南 大介(2年・南部中)は浅いレフトフライ。7番・小田 部魁(2年・下館中)はセカンドライナーに倒れ1点も返せない。

 8回裏、つくば秀英は2番手に背番号20の左腕・阿部田 壮(1年・境一中)を送り、この回を無失点で切り抜ける。

 5点差で迎える9回表、一死となったところで、水城は2番手に背番号10の左腕・須藤 太晴(1年・千代川中)を送る。須藤は1つの死球を与えるもその後をショートゴロに仕留め試合終了となる。

 水城が6対1でつくば秀英を下し、準々決勝進出を決めた。
水城先発の征矢 隼輔は、被安打4で無四球、失点1という素晴らしい内容で、完成度の高い打者に的を絞らせないピッチングを披露した。スライダーとタテ系の緩い変化球を駆使して、コーナーを丁寧に突いた。ときおり投じられる130キロに迫るストレートには、各打者が差し込まれている。打線は良く振れている印象を受けた。特に4番・樫村昌樹は3打数2安打1打点と結果を残した。スイングが鋭く、センター方向に強い打球を打ち返せる好打者なので今後も注目したい。

 つくば秀英のエース左腕・北山 大毅は連投の疲れがあってか、2回1/3イニングで被安打4、与四球3、失点4と精彩を欠いた内容だった。この日の球速は最速136キロ出ていたが、キレに物足りなさを感じた。2番手に登板した右腕・赤司 太一は低めにズバッと決まったときのストレートには相当な威力がある。しかしコントロールに不安があるのか、ワンバウンドになるボールが多く、球数が増えてしまう。

 2投手ともに荒さはあれど、ポテンシャルは高いので、つくば秀英の投手育成メソッドによりさらなる飛躍を遂げて春を迎えて欲しい。

 打者では4番・戸田 大樹がチーム唯一の打点を挙げ、ただ一人マルチヒットを記録した。恵まれた分厚い身体から物凄いスイングをしており、当たれば柵越えが期待できる稀有な存在である。

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・2016年秋季大会特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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