試合レポート

霞ヶ浦vs太田一

2015.10.03

霞ヶ浦エース・飯村将太が4安打完封勝利で2年ぶり6度目の関東大会出場決定!

飯村 将太(霞ヶ浦)

 茨城大会準決勝第2試合は、第2シード・霞ヶ浦と、準々決勝で第3シード・水城を破った太田一というカードとなった。太田一は26年ぶりの準決勝進出であり、この躍進を喜ぶ多くのファンが[stadium]ひたちなか市民球場[/stadium]に詰めかけ声援を寄せた。

 霞ヶ浦はここまでの2試合に、背番号1の飯村 将太と背番号3の根本 将汰が登板している。
一方、太田一はエースの和田 凌吾が3試合23イニングを1人で投げ抜いて勝ち上がってきた。
この試合では、両チーム背番号1のエース対決となった。

 試合は5回までを45分で終える。両投手が打たせて取るピッチングでテンポよく進む。
太田一霞ヶ浦先発・飯村から1本もヒットを打てず、振り逃げで出したランナーも牽制で刺されて5回を15人で終える。
霞ヶ浦は4回と5回に強攻策がゲッツーとなり、ランナーは出すものの得点には至らない。

 6回表、太田一は二死から9番・飛田 拓巳(2年、那珂一中)にチーム初ヒットが生まれるが、1番・関根 亮太(2年、大宮中)は空振り三振に倒れる。

 6回裏、霞ヶ浦が均衡を破る。
一死から1番・益子 侑也(2年、水戸東シニア)のサード正面のゴロはエラーとなり出塁すると、盗塁で一死二塁。ここで二塁牽制が暴投になり三進して瞬く間に一死三塁となる。迎える2番・佐野 如一(2年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)はフルカウントからレフト前タイムリーを放ち、霞ヶ浦が1点を先制する。試合の流れは一気に霞ヶ浦に傾いたと思われたが、ここで一走・佐野が牽制で刺され二死。続く3番・根本 将汰(2年、取手シニア)がこの日3本目のヒットとなるセカンド強襲内野安打で出塁し、4番・根本 薫(2年、取手シニア)は四球で繋ぐが、5番・木村 翔大(1年、新治中)はショートゴロに倒れる。
太田一0ー1霞ヶ浦

 7回表、太田一は先頭の2番・阿内 涼太(2年、太田中)がショートをイレギュラーバウンドで越えるヒットで出塁するが、3番・川崎 進也(2年、瑞龍中)は初球をファーストファールフライ。4番・八木沢 英士(2年、峰山中、県北選抜)はセンターライナー。5番・和田の打席で一走・阿内が盗塁死してチェンジとなる。


関連記事
・2015年秋季大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!茨城県の野球部訪問を一挙紹介!

2015年秋季大会

和田 凌吾(太田一)

 8回裏、霞ヶ浦は一死から2番・佐野 如一がセンター前ヒットで出塁し、連続四球で一死満塁のチャンスを迎えるが、5番・木村 翔大はファーストゴロ本塁封殺。6番・飯村 将太はセンターフライで決定的な追加点のチャンスを生かせない。

 1点差を追う太田一は、9回表、二死から見せ場を作る。2番・阿内 涼太がセンター前ヒットで出塁し、3番・川崎 進也が四球で繋いで1打同点のチャンスを迎える。場内は太田一ファンの大声援で4番・八木沢 英士を迎えるが、空振り三振に倒れ試合終了となる。

 霞ヶ浦が薄氷の勝利で2年ぶり6度目の関東大会出場を決めた。

 今大会の太田一の大躍進は、エース・和田 凌吾の力投あってこそ成し得たことだ。和田は左打者へのインスラ、右打者へのインストの精度とキレが抜群だった。捕手・萩谷 俊もインコースにどんどん要求して、打者をのけ反らせながら配球を組み立てた。ストレートの球速そこ130キロ前後だが、和田はコントロールの良さと抜群のキレを持ち、県大会の4試合を31イニング中自責点3というとてつもない成績で終えた。春以降もさらなる飛躍を期待できる好投手であり、今後も注目したい。

 勝利した霞ヶ浦は、エースの飯村 将太が無四球被安打4と、打線の援護がない中で奮起した。春先に[stadium]関東一グラウンド[/stadium]で見た飯村は、制球が定まっていなかったが、その時とは別人のように頼もしいエースに成長していた。
打線で元気なのは3番を打つ根本 将汰だ。この日も3打数3安打で、今大会、10打数7安打と手がつけられない。

 霞ヶ浦は次戦、決勝戦で常総学院と対戦する。常総学院に勝利するには、マークされる根本将以外の打者の奮起が欠かせないため、特に根本 薫小川 翔平の打棒に期待したい。

(文=伊達 康


関連記事
・2015年秋季大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!茨城県の野球部訪問を一挙紹介!

2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.06

大阪桐蔭&履正社撃破の原動力! 超高校級遊撃手・今坂 幸暉(大阪学院大高)のドラフト指名はあるのか!?<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.06.06

【佐賀】敬徳は唐津東と唐津南の勝者と対戦<西北部地区大会>

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・北信越地区】新潟で21日に抽選会、7月5日の富山で組み合わせが出揃う

2024.06.06

センバツ出場の龍谷大平安の卒業生の進路は?高校日本代表候補は青山学院大、大型右腕は富士大へ進学!

2024.06.01

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.01

【愛知】報徳学園は豊橋中央にサヨナラ勝ち、豊川には黒星<招待試合>

2024.06.01

【東京六大学】早稲田大が大勝で7季ぶり優勝に大手!プロ注目スラッガー・吉納が2発、エース伊藤は8回1失点の快投見せる!

2024.06.01

報徳学園の今朝丸がセンバツ決勝戦以来の先発!モイセエフは3番センターでスタメン出場!【招待試合スタメン】

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉