仙台育英vs日大東北
仙台育英が圧勝
仙台育英の圧勝劇だった。
12—1の7回コールド。初戦(試合レポート)に続き、2試合連続のコールド勝ちを収めた。
4回、先制のホームに滑り込む日大東北・大河原
先制点を奪ったのは、日大東北だった。4回、2番・大河原悠平が三塁線に内野安打を放ち、3番・落合滉樹の犠打で1死2塁とした。4番・佐藤旦がスライダーをセンター前に運び、先制した。
仙台育英打線は日大東北・岩城光の前に4回までヒット1本。出塁すらできなかった。
「手も足もでなかった」とは仙台育英・佐々木順一朗監督。ところが、1本のホームランが流れを変えた。
仙台育英、5回の攻撃。この回は5番・佐々木良介からだった。1ボールからの2球目。低めのスライダーを救い上げると、打球はライトスタンドへ一直線。
指揮官が「両チームに対して、大きかったですね」と言えば、佐々木良は「同点の一打、勢いづける一発になって嬉しかった」と笑顔を見せた。
続く、6番・紀伊海秀が四球で歩くと、7番・佐々木柊野がライト前ヒット、8番・谷津航大がレフト前ヒットを放ち、無死満塁。9番・佐藤世那の三塁線を破る2点タイムリー二塁打で逆転した。さらに1番・佐藤将太が四球でなおも満塁。その後、2死満塁で4番・郡司裕也が左中間へ走者一掃の二塁打を放って突き放した。
打線に火を点けた佐々木良はライト前ヒットで郡司をホームに還し、この回、なんと7点を奪った。
5回に本塁打を放った佐々木良介(仙台育英)
6回、2連続四球を出したところで日大東北は先発・岩城から三谷直輝に交代。しかし、1死2、3塁から1番・佐藤将が2点タイムリーを浴びせた。
7回、日大東北は再び、岩城をマウンドに上げたが、1死から4番・郡司二塁打、5番・佐々木良二塁打、途中出場の6番・斎田海斗シングルヒット、7番・佐々木柊二塁打と連打、連打で勢いは増していくばかりだった。
終わってみれば、仙台育英は計12安打12得点。初戦も1点先制されてから打線が爆発し、コールド勝ちした。
投げては、エース・佐藤世那が6回を投げ、被安打4、9奪三振と好投を見せた。
心配事は3番・平沢大河が初戦からノーヒットが続いていることと、佐藤世に続くピッチャーの確立か。
準決勝の相手は八戸学院光星。1年前、初戦で対戦し、7—10で敗れている。この時の仙台育英の先発は1年生だった佐藤世で、3回で降板した。
現チームで練習試合もしているが、「夏の始めなので参考にはならない」と佐々木監督。
佐藤世が八戸学院光星の打線をどう抑えるか、今夏の甲子園を経験した3投手を打線が攻略できるかがカギを握る。仙台育英としては、攻撃のエンジンを早めにかけたいところだ。
(文=高橋 昌江)