枕崎vs古仁屋
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泰隆博(古仁屋)
「可能性」感じた敗戦
7回までは、枕崎・俵積田大志(2年)、古仁屋・泰隆博(2年)の両先発の好投で、互角の競り合いだった。
枕崎は7回二死から俵積田がライト線二塁打で勝ち越すと、押し出しと3番・橋口智寛(2年)のライト前2点タイムリーで一挙4点を挙げて試合を決めた。
古仁屋の龍元圭介主将(2年)は、組み合わせ抽選会で枕崎を当たって「勝って恩返しがしたい」と話していた。枕崎とは5月の大型連休中の遠征で合同練習を組むなど、日頃から交流のある相手。終盤崩れて「恩返し」はできなかったが、前和樹監督は「チームの可能性を感じたゲームだった」と振り返った。
先発のエース泰は、8月の地区大会以降、投げ方をオーバースローからスリークオーターに変えた。
「徳之島相手に何もできずにコールド負け。ボールがシュート回転する投げ方だったので、思い切って腕を下げてみた」(前監督)。
初回、2つの四球を出して二死満塁のピンチを背負ったが、無失点で切り抜けると、その裏に味方の中軸が二死から3連打を浴びせて先制点を取った。
2回に逆転されたが、「制球だけ気をつけて丁寧に投げた」(泰)3回から7回までは1安打無失点で切り抜けた。
8、9回と崩れたのは「いつも7回コールドで負けてしまうので、8回以降のゲームを経験していない弱さが出た」(前監督)からだ。とはいえ、いつも胸を借りていた枕崎を相手に、バッテリーを中心に守備からリズムを作り、終盤まで互角に戦えたことは「自信になった」(泰)。以前は、前監督が逐一声を掛けていかないと動けなかったチームが「言われなくても、動けることが多くなかった」(前監督)。ベンチで陣頭指揮をする監督が、あまり目立たなくなったのも、ひとつの「成長の証」といえそうだ。
(文=政 純一郎)