試合レポート

【仙台六大学春季リーグ】 仙台大が接戦を制し開幕戦白星!最速151キロ左腕・渡邉一生が9回途中14奪三振1失点快投

2024.04.14


9回途中14奪三振1失点と好投した仙台大・渡邉一生

<仙台六大学野球春季リーグ:仙台大2-1東北大>◇13日◇第1節1回戦◇東北福祉大

13日に開幕した仙台六大学野球春季リーグ戦。王座奪還、そして2年連続の全日本大学野球選手権出場を目指す仙台大は、東北大との接戦を制し白星スタートを切った。

1点を追う5回、1番・今野 悠貴内野手(1年=東陵)の中前適時打で同点とする。8回には代打・山村 貫太外野手(4年=甲府工)の安打を皮切りに敵失で1点を奪い、勝ち越した。開幕投手を任された最速151キロ左腕・渡邉 一生投手(3年=日本航空/BBCスカイホークス)は、9回途中3安打14奪三振1失点(自責0)と快投。最後は救援したサイド右腕・小野寺 唯人投手(4年=東北)が抑え、1点のリードを守った。

東北大は昨秋3勝、防御率2.28をマークした好右腕・佐藤 昴投手(3年=仙台一)がわずか92球で9回を投げ切り無四球、2失点(自責0)と大奮闘。打線は初回に先制するも、2回以降は本塁が遠く、エースを援護することができなかった。

仙台大の渡邉は1年秋以来のリーグ戦登板となった。昨年は肩や肘のケガが相次ぎ、公式戦登板なしに終わっていただけに、完全復活を印象づける投げっぷりだった。

初回は緊張から「体がこわばっていた」というが、2回以降は落ち着きを取り戻し、自慢の速球を連発。2、4、6回に三者連続三振を奪うなど相手打線を圧倒した。直球は終始140キロ台中盤から後半を維持し、最速150キロを5度計測。自己最速に迫る勢いながら、本人は「もう少し出したい。今季中にマックスを更新したい」と意欲を見せた。

この日は変化球も冴え、中でも決め球として使えるチェンジアップは打者を翻弄した。変化球を使い始めると崩れるパターンが多かった1年時を反省し、直球で押す投球スタイルから変化球を多投して速球を生かす投球スタイルへと変貌。「150キロが出る変化球ピッチャー」をテーマに掲げ、変化球を磨いてきた成果を、開幕戦で発揮した。

同じく以前は課題としていた制球力も向上した。「常に人に見られている意識」を持ち、今春卒業した川和田 悠太投手(現・三菱重工East)を参考に打撃投手を務める機会を増やすと、投球が安定するようになった。

強豪・日大藤沢から通信制高校に転校し、クラブチームを経て仙台大に入学した経歴を持つ渡邉。転校は「甲子園にこだわらなくてもプロ野球選手にはなれる」との考えから下した決断だった。ただ、大学で経験を積む中で心境の変化が現れた。渡邉は「高校の時は自分がプロにいけたらいいと考えていたけど、今はチームのために勝とうという気持ちが出てきた」と口にする。生まれ変わった左腕は今春、チームのために全力で腕を振る。

(取材=川浪康太郎)

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この記事の執筆者: 川浪 康太郎

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