【春季東京都大会】プロ注・古川遼(日本学園)が6回無失点も課題はスタミナ、日体荏原が辛勝で2回戦へ
日体大荏原 完封した吉田 健汰(3年)
日本学園はプロ注目の最速143キロ右腕・古川 遼投手(3年)を軸に一次予選を勝ち抜いてきた。本戦で最初に対戦するのは、一昨年夏の東東京都大会で決勝に進出し、甲子園出場まであと一歩のところまで迫った日体大荏原。実力校を相手に古川がどのようなピッチングを見せるのか。夏に向けた力試しともいえる一戦は、 両チームともに投手陣が粘りを見せ、1対0と肉薄したゲームを日体大荏原が勝ち切った。
注目の古川は、初回からランナーを出しながらも、要所を締めて得点を与えないピッチング。身長190センチの高さから角度のあるストレートを投げ込むだけでなく、クイックを織り交ぜるなど打者との駆け引きも巧みにこなしながら5回まで無失点に抑えた。
しかし、夏に向けてスタミナの面で不安を残した。5回を終えた時点で既に「握力が無くなっていた」。高橋 裕輔監督と相談しながら6回のマウンドに上がり、「自分の持っている力を全部出したかった」と3者連続三振でしめたが、「9回まで投げたかった」と悔やんだ。制球力の面でも4四球とスタミナ以外にも課題を残したが、結果として6回無失点で切り抜けたことは好材料と言える。
高橋監督は、「相手打者の圧やプレッシャーで普段とは違った疲労があった」と分析。それでも対戦した日体大荏原の本橋 慶彦監督も、「やはりいいピッチャーだなと。なかなか点が取れない。取れるイメージがわかなかった」と称賛。3者連続三振にとった投球は実力を存分に発揮していただけに、安定して長いイニングを投げることができるかが、今後の成長のカギを握るだろう。
一方の日体大荏原は、エース・吉田 健汰投手(3年)が「変化球でストライクを取ることができた」と9回112球の力投で完封。打者としても終盤の8回に自らを助ける先制打を放ち「体が勝手に反応した」と笑みをこぼした。
本橋監督も、「粘り強さは課題にしていた。春も粘れずに打たれて負けてしまうことがあったが、今日はよく我慢してくれた」と振り返る。今後に向けても、「みんなで声を掛け合いながら、我慢して繋ぐ気持ちを持って頑張って欲しい」と語っていた。次戦は東村山西と対戦。この試合で得た成功体験を糧に、エース吉田を中心とした粘り強さで勝利を積み重ねていく。
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